6月9日、東京のワクチン大規模接種会場で対応する自衛官たち(Photo by David Mareuil - Pool/Getty Images)

自衛隊の大規模接種センター、全国の65歳以上に接種対象を拡大

政府は10日、東京と大阪に設置した高齢者向けの自衛隊新型コロナウイルス(中共ウイルス)ワクチン大規模接種センターの接種対象者について、地域制限を撤廃して全国に拡大する。接種券を持つ65歳以上であれば、全国から予約を直ちに受け付ける。

これまで、両センターでの接種対象者は、東京および大阪近郊の居住者に限定していた。さらに、これまでインターネットのみで受け付けてきた予約も、12日午前7時からは電話で予約ができるようになる。

首相官邸によると、ワクチンの接種回数は9日までに、医療従事者に対しては882万回、高齢者に対しては1156万回に達し、総接種回数は2000万回を超えた。1日あたりの接種回数が100万回を超えた計算だ。

5月24日から始まった防衛省・自衛隊による大規模接種会場では、東京では1日一万回、大阪で1日5千回を目安に体制を整え、高齢者や基礎疾患を持つ人を対象にしたワクチン接種を進めた。防衛省の予約発表数によれば、6月14日以降の予約には両会場とも予約に数万回の余裕がある。

防衛省によれば、全国の65歳以上に接種対象者を拡大したのは、現状の予約未達の対応としている。

6月4日には、岸信夫防衛相が、自衛隊大阪大規模接種センターを視察した。「自衛隊の組織力を発揮し接種を円滑に進めている事を確認」とツイッターに書いた。また、医官、看護官、民間看護師、民間役務者から意見を聞き、「新型コロナ感染拡大防止の為、官民一体となり、高い使命感を持ち業務に臨む姿に大変感銘を受けた」と述べた。

また、小野寺五典・元防衛相は10日、前日に開かれた国防安保幹部会で、接種権の配布状況を踏まえた上で64歳以下の一般接種を可能にするよう政府に要請した、とツイッターで明らかにした。

防衛省は大規模接種会場におけるワクチン接種にあたり、いくつかの注意を呼びかけている。ひとつは、既に市区町村で接種の予約をしている場合、自衛隊大規模接種センターの接種予約はしないこと。重複すると、一方の予約分のワクチンが無駄になる可能性があるためだ。重複する場合は速やかに一方をキャンセルするよう促している。

また、悪質ないたずらによる予約はしないことや、接種する意思がない場合の予約はしないよう呼びかけている。こうした行為が繰り返された場合、偽計業務妨害罪に抵触するおそれがあるという。

(佐渡道世)

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