写真は北京天安門内。記事と関係ない(WANG ZHAO/AFP/Getty Images)

中国、宇宙ステーションに党支部設立 専門家「滑稽な話」

有人宇宙船「神舟12号(Shenzhou-12)」は日本時間の17日午後5時前、中国が独自に建設を進めている宇宙ステーションのコアモジュール「天和​(Tianhe)」に、初めてドッキングを成功させた。3人の宇宙飛行士が3カ月間滞在する予定だ。

新華社通信は、「党員が3人以上いれば党の基層組織をつくるべき」という規定に基づき、宇宙ステーション入りした3人の宇宙飛行士は初となる宇宙党支部を設立したと報じた。

「1927年、初めての党支部を設立し、2021年、党支部を宇宙に設立した」とした。

米ニューヨーク在住の時事評論家である朱明氏は、「この宇宙に輸出された共産主義のイデオロギーは、7月1日の中国共産党創設100年の大規模な宣伝活動に合わせたものだ」と指摘した。

同氏はまた、中国は現在、必死に100年記念に向けて国威発揚につなげようとしている。宇宙に党支部を設立したのは「メンツ」でしかない。このことから中国共産党の傲慢さと無知がうかがえると述べた。

1968年12月24日のクリスマスイブに、人類で初めて月に到達したアポロ8号の乗組員は、月の周回軌道上で『聖書』の「創世記」の一節を朗読した。

当時、世界人口の4分の1がその映像を見て、信仰の力を感じていた。旧ソ機関紙「プラウダ」でさえ、このニュースを報道する時にいつもの反米論評を入れなかった。

「その50年後、中国は宇宙ステーションに党支部を設立し、無神論を広めた。共産党の闘争理論と統一戦線を宇宙へ持ち込んだ。滑稽な話だ」と朱明氏は切り捨てた。

米シンクタンク「ジェームズタウン財団(Jamestown Foundation)」は18日、「グローバル化されたマルクス・レーニン主義機構:中国共産党の海外建党の趨勢」と題した最新報告書を発表した。

「習近平総書記の指導の下、中国は領土外で党建設を進めている。時代遅れの党による治国を復活させようとしている。相変わらず典型的なマルクス・レーニン主義の政党支部をベースにし、国内外で権力行使することによって新しい目標を追求している」と分析した。

(翻訳編集・李凌)

 

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