テスラ、中国で大規模なリコール 約9割が中国国内で製造
中国の国家市場監督管理総局は26日、米電気自動車(EV)大手テスラの中国法人は国内で約28万5000台のEVをリコールすると発表した。リコール対象電気自動車(EV)の86%は中国国内で生産されたものだ。
規制当局によると、リコールの原因はクルーズコントロール・システムというソフトウェアに不具合が見つかったためという。当局が行った調査では、この不具合で、テスラの車両が突然加速する恐れがあるという。
リコール対象EVのうち、3万5665台の「モデル3」は外国で製造し、中国国内に輸入されたもの。残りの24万9558台はテスラの上海工場で製造された「モデル3」と「モデルY」である。
テスラの中国法人は、中国版ツイッター、微博(ウェイボー)に謝罪声明を掲載した。
過去数カ月、中国当局と政府系メディアは、テスラをやり玉に挙げて批判した。今年2月、消費者から報告された品質問題について、中国当局はテスラの幹部に事情聴取を行った。4月、上海モーターショーでテスラ車のオーナーが、車両のブレーキに欠陥があるとして抗議し、騒ぎとなった。同社はその後、謝罪をし、顧客からの苦情に対応する部署を設置すると約束した。
バッシングは同社の販売業績にも影響を与えた。中国乗用車協会(CPCA)の発表によると、4月、テスラの中国での販売台数は2万6000台未満で、3月に比べて27%減少した。5月には、同社の販売台数は3万3000台以上に回復した。
テスラは5月下旬、中国国内にデータセンターを置くことを発表した。同センターは、中国で販売された車両の車載カメラなどから収集したデータの管理を行うという。中国当局に譲歩したとみられる。
(翻訳編集・張哲)
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