中国人スパイ、ニュージーランドの大学で講義を監視妨害=報道
ニュージーランドの大学の講師は、中国関連の講義を行っている最中、中国当局のスパイとみられる人物に監視・妨害されたと地元メディアに訴えた。授業中、不審な男に罵声を浴びせられた講師もいるという。
ニュージーランドの国営ラジオ放送、ラジオ・ニュージーランド(RNZ)の番組「レッドライン(Red Line)」は28日、同国の名門校であるオークランド大学(University of Auckland)、ヴィクトリア大学ウェリントン(Victoria University of Wellington)、カンタベリー大学(University of Canterbury)で同様の妨害が起きたと報じた。
オークランド大学で国際関係を教える講師スティーブン・ノークス(Stephen Noakes)氏は、自身の授業を履修登録していない人が講義に出席し、情報収集をしていたとRNZに話した。
「教室の中に私の知らない人がいて、携帯電話のカメラで授業用のスライドを撮影した」
「非常に不快感を覚えた。この件について調べようとしたが、その人と再び会うことはなかった」
ヴィクトリア大学ウェリントンで中国古代史の講義を行うキャサリン・チャーチマン(Catherine Churchman)氏も同じ体験を語った。
2017年、中国史の講義中に、学生とみられる男がチャーチマン氏に対して罵声を浴びせた。同氏は、男に講義を妨害する理由を説明するよう求めた。男は「訪問学者」と自称した。チャーチマン氏は、「男は中国当局の立場に基づいて、私の中国史と中国対外関係についての考え方を批判した。とても疑わしいと思った」と述べた。
「彼は事前に私の同意を得ないで、勝手に教室に入ってきた」
「彼がどうやって私の講義を知ったのか不思議に思った」
チャーチマン氏はその後、男がウェリントンにある中国大使館の付近でバスから降りたところを見た。
「それは偶然かもしれない。彼があの辺に住んでいるだけかもしれない。しかし、彼の行動は、私に真相を見つけたいと決心させた」
カンタベリー大学の講師、アン・マリー・ブレイディ(Anne-Marie Brady)氏は、「履修登録していない人がよく私の講義にくる。彼らは講義を監視したり、妨害した」と述べた。
2019年、1人の女が授業を妨害し、同時に「教室にいた学生らを脅かした」という。女は教室から立ち去ろうとしなかった。
スティーブン・ノークス氏は、中国国内と台湾の大学で教鞭をとったことがある。同氏は、近年、中国当局の主導で、中国人留学生の「ナショナリズム」が強まっているとの見解を示した。
「私の講義を登録した最近の中国人学生は、12年前、または15年前の中国人学生と比べて、より強い民族主義イデオロギーを持っている」
同氏によると、一部の中国人留学生は授業中、中国当局が1989年に武力で学生らの民主化運動を鎮圧した天安門事件について、「西側諸国が、中国を中傷するためにねつ造した話だ」と反論した。
(翻訳編集・張哲)