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【歌の手帳】夕立の空

よられつる野もせの草のかげろひて涼しくくもる夕立の空(新古今

歌意「猛暑の夏日。激しく照りつける太陽のため、乾いた野原の草が、よじれるように葉を巻いていた。そこへ雨雲がにわかに広がり、地上に陰をつくる。ひんやり涼しく曇った、夕立まえの空である」。

西行(さいぎょう1118~1190)の歌。野にある草の葉の形態を、これほど細やかに描写した例は、和歌としては過去になかったのではないかと思われます。

一方「自然描写は十分だが、抒情性には欠ける」という、辛口の批評もできるかも知れません。同じく西行の歌「心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ」のような「あはれ」は表題の歌にはないようですが、正岡子規の「写生」の先行例とも言えましょう。

(聡)

 

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