南京市で、コロナウイルスの核酸検査を受けるために列をなす住民たち(STR/AFP via Getty Images)
南京市で、コロナウイルスの核酸検査を受けるために列をなす住民たち(STR/AFP via Getty Images)

懸念広がる中国製ワクチンの有効性 南京新規感染者のほぼ全員が接種済み

中国・南京の空港で発生したクラスターがすでに5省に蔓延し、28日までに126人の感染が確認された。感染者のなかにはワクチン接種済みの市民が多く、中国製ワクチンの安全性に対する疑念が再燃した。

江蘇市民の凌真宝さんは26日、米ラジオ・フリー・アジア(RFA)のインタビューの中で、「中国で感染がぶり返すのは、ワクチンの有効性と関係がある」と指摘した。

新規感染者はほぼ全員、すでに国産ワクチンの2回接種を終えている

南京の空港職員の劉さんはRFAの取材に対し、「今回、南京の感染者のほとんどは、すでに国産ワクチンの2回接種を終えている人たちばかりだ」と明かした。

また、「南京の新規感染者37人のうち、36人は国産ワクチンの2回接種を終えている詳細なリストもある。うち2人が重症化している。感染者は皆空港で仕事をしているため、ワクチン接種は早い段階ですでに終えている」と述べた。

劉さんはさらに、「中国の専門家は、国産ワクチンの有効性が限定的だと何度も説明している」

「最初、ワクチンは感染を防げると言っていた。しかし、後になって感染を防ぐのではなく、重症化や死亡を防ぐと言い方を変えた」と語った。

中国製ワクチンを使用した国の感染者数は爆増

江蘇市民のBerryさんはRFAに対し、「南京での新規感染者の急増とワクチンとの関係は大きいはずだ。シノバックやシノファームなどの中国製ワクチンを使用した5カ国では、感染者数がいずれも爆発的に増えている」と述べた。

香港大学公共衛生学院は1442人に対して研究を行った。その結果、独ビオンテック製ワクチンを接種した後の抗体価が中国のシノバック製より9倍も高いことが分かった。

また、ワクチン接種が最も進んでいた国の一つであるチリで行われた研究では、シノバック製ワクチンの接種から6カ月後に免疫力が大幅に低下する結果が得られた。

チリは4月に入ると国内で感染が再び拡大し、6月には首都全域がロックダウンした。同国で接種しているワクチンの9割が中国のシノバック製ワクチンである。

また、中国のシノファーム製ワクチンの接種率が最も高いが、感染者が急増しているバーレーンでは、中国製ワクチンの2回接種完了した者を対象に、米ファイザー製ワクチンの追加接種を開始した。

インドネシアでは中国製ワクチンを接種した医療関係者数百人が感染している。

中国疾病予防コントロールセンター(CCDC)トップの高福主任は20日、自身が2回の中国製ワクチンを接種後、3回目の追加接種を受けたと明らかにした。追加接種のワクチンの詳細について言及しなかった。

(翻訳編集・李凌)

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