李登輝元総統一周忌 台湾、安倍前首相の訪台に「全力でサポート」
李登輝(りとうき)元総統の一周忌を迎えるにあたり、安倍晋三前首相が産経新聞のインタビューで、台湾訪問の意向を明らかにした。これに対し中華民国外交部(外務省)は29日、「必要なサポートを全力で提供する」との姿勢を示した。頼清徳(らいせいとく)副総統は、安倍前首相の台湾に対する援助に感謝の意を示し、訪台を歓迎するツイートを日本語で投稿した。
李登輝元総統は台湾の民主化に尽力するとともに、親日派として知られている。京都大学に留学した経験を持ち、日本語も堪能だ。2007年に訪日した際には松尾芭蕉の句集「奥の細道」に描かれた景勝地を訪れた。日本三景の一つとして数えられている松島を訪れた際には、夫人とともに俳句を詠んだエピソードが残されている。
安倍前首相と李氏の初対面は1994年、自民党青年局員として台湾を訪問したときだった。以来親交を深め、2010年には李氏の自宅を訪問した。
今回安倍前首相が台湾訪問の意向を示すと、台湾側は歓迎の姿勢を示した。頼清徳副総統はツイッターで「安倍元首相がお墓参りをしたいと仰っていると伺いました。私はとても感動しています。李登輝元総統の精神を受け継いで、共に自由と人権の為に闘いましょう。台湾へのお越しを心より歓迎いたします」と投稿した。
李登輝元総統は民主化を推し進めた台湾の偉大な父です。7月30日の一周忌を迎えるにあたって、安倍元首相がお墓参りをしたいと仰っていると伺いました。私はとても感動しています。李登輝元総統の精神を受け継いで、共に自由と人権の為に闘いましょう。台湾へのお越しを心より歓迎いたします。
— 賴清德Lai Ching-te (@ChingteLai) July 28, 2021
中華民国外交部も29日に公式の見解を発表、「安倍前首相の台湾と李登輝元総統に対する特別な友情に心打たれた。外交部は安倍前首相の訪問を大いに歓迎し、必要なサポートを全力で提供する」と記した。
そのうえで、安倍前首相と日本に関して、次のようにコメントした。
「安倍前首相は重量級の国際的な指導者であり、非常に尊敬されている。台湾と日本が基本的な価値観を共有することについて幾度となく言及し、貴重な友人として、台湾の国際組織への参加を積極的に推進してきた。新型コロナウイルスが蔓延するなか、安倍前首相が菅政権と協力して330万回分以上のワクチンを届けたことを、台湾の民衆は忘れることはできない。外交部は、安倍前首相の長きにわたる台湾への支持と友情に深く感謝の意を示すとともに、訪問を心より歓迎する」。
(王文亮)