当局による中国語教育の強制的な推進に反発するモンゴル族(BYAMBASUREN BYAMBA-OCHIR/AFP via Getty Images)

「文化的ジェノサイド」中共、農村や少数民族地区で普通語教育を強化

中国教育省は2日、全国の農村や少数民族が暮らす地域の幼稚園で、すべての教育を標準の中国語「普通語」で行うよう求める通知を発表した。中国共産党の少数民族に対する同化政策が背景にあるとみられ、中国共産党の一党支配をさらに強固にするのが狙いとみられる。

この通知は、政府の公式ウェブサイトに掲載されたもので、「就学前の子供たちの普通語を強化することに重点を置く」とし、今年の秋学期から実地される予定。

中国教育省は、資格のあるスタッフを確保するため、普通語が一定水準に達していない幼稚園教師に対し、研修を行う。さらに、「草の根の教師の教育に対する考え方を変えさせる」ために、中国の他の地域の教師が少数民族・農村地域の教師と、幼稚園が幼稚園と「ペア」を組み標準語教育を徹底していく方針だ。

中国教育省は、「少数民族や農村地域の就学前の子どもたちが、中国語で基本的なレベルのコミュニケーション能力を徐々に身につけ、義務教育段階の基礎を築くことができるようにする」と強調した。また、農村や少数民族が暮らす地域幼稚園は、子供たちが標準中国語に触れる機会を増やし、「話したい」意欲を沸かせるため、「さまざまな活動を組織すべきである」とした。

文化的ジェノサイド

中国当局は2020年9月、内モンゴル自治区の学校で中国語強化教育を開始し、反発したモンゴル族による授業のボイコットや大規模な抗議活動が勃発した。当局は地域全体での取り締まりを強化し、拘束・逮捕が相次いだ。

また中国当局は、約230万人の韓国人が居住する中国東北部の学校でも、中国語による国家統一教科書の使用を開始し、韓国語教育を段階的に廃止する政策を導入した。

さらには、新疆ウイグル自治区やチベット自治区でも、それぞれの民族語での授業が廃止され、標準中国語で教育を行う同化政策が進んでいる。

中国の憲法では、少数民族がそれぞれの言語や文字を使い授業を行うことが保証されているが、修道院や町での非公式に組織された語学講座は「違法な団体」 とみなされ、教師が拘留・逮捕される事案が起きている。

(翻訳編集・蓮夏)

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