カナダが9月20日に総選挙、コロナ後の付託で信認問うとトルドー首相
[オタワ 15日 ロイター] – カナダのトルドー首相は15日、総選挙を9月20日に実施すると表明した。新型コロナウイルスのパンデミックから社会・経済を立ち直らせるために自由党政権が承認した政策と、コロナ後の将来を同政権に任せられるかどうかについて、改めて有権者の信を問う必要があると訴えている。
トルドー氏は、新型コロナウイルスワクチン接種率の高さに加え、景気回復が進んでいることで、選挙によって政権を維持し、政治的な立場を強化できると期待している。直近のデータによると、カナダで2回目の接種を終えた人は対象者全体の71%に達した。
同氏は、カナダにとって歴史の変わり目で重要な局面に置かれている中で選挙を迎えると強調。「われわれは単に今後数カ月ではなく、数十年のための決断を下そうとしており、国民は発言する権利がある。われわれが提供しようとしているのはまさにその権利だ」と述べた。
また同氏は、野党・保守党の一部議員から政府が規制産業へのワクチン接種を義務化することについて「専制的」と批判している点を挙げ、そうした意見に対する答えが選挙だと反論した。
各種世論調査に基づくと、自由党が勝利するものの、下院(定数338議席)の過半数を制することはできない可能性がある。トルドー氏は現在も少数与党の立場を強いられ、政権運営で他の政党との連携が不可欠になっている。
12日に公表された世論調査では、自由党の予想得票率が35%、保守党が30%、左派系の新民主党が19%となった。
ある専門家は、総選挙を先送りすればするほど感染第4波のリスクが高まる以上、自由党政権としては早期選挙に打って出る以外の選択肢はなかったとの見方を示した。
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