8月14日、豪ニューサウスウェールズ(NSW)州当局は、新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多を更新する中、州都シドニーのロックダウン(都市封鎖)を州全体に拡大した。シドニーで7月23日撮影(2021年 ロイター/Loren Elliott)

豪、NSW州全体にロックダウン拡大 感染者最多で罰金引き上げ

[シドニー 14日 ロイター] – 豪ニューサウスウェールズ(NSW)州当局は14日、新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多を更新する中、州都シドニーのロックダウン(都市封鎖)を州全体に拡大した。また、ロックダウンに違反した場合の罰金を引き上げた。

同州のベレジクリアン首相は、自宅待機命令に違反した人や接触者追跡担当者にうその情報を提供した人には州警察が最大5000豪ドル(3700ドル)の罰金を科すと発表。従来の1000豪ドルから引き上げた。

同首相は記者会見で「(コロナ禍が)始まって以降、NSW州、そして豪州が直面している最悪の状況だと受け入れなければならない」と述べた。

14日に発表した州内の新規感染者は466人と、前日に記録した過去最多の390人を再び更新した。

シドニーが予定通り8月28日に9週間のロックダウンを終える見込みは低下している。当局者はこれまでに、ワクチン接種が進み、新規感染者数が減少すれば、制限を一部緩和する可能性に言及している。

ベレジクリアン首相は「われわれはこの局面を乗り切るが、9月と10月は非常に困難な時期になる」と述べた。

複数の地方都市への感染拡大が懸念される中、シドニーには週明けから、ロックダウンの順守を徹底するため軍の追加要員が数百人派遣される。

正式な許可証なしに地方部を訪れた人には、新たに3000豪ドルの罰金が科される。これまでロックダウンの対象になっていなかった地方部には、7日間の自宅待機命令が出された。

豪小売業協会トップのポール・ザラ氏は、州全体のロックダウンは多くの地方都市にとって衝撃だったとし、経済への打撃は週15億豪ドル(11億1000万ドル)に上る可能性があると述べた。

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