(余钢/大纪元)

中国アリババ1.7兆円拠出 相次ぎ当局の「共同繁栄」に追従する中国企業

中国の電子商取引大手アリババグループは2日、習近平国家主席が推進する「共同富裕」に呼応し、2025年までに1000億元(約1兆7000億円)を投入する方針を示した。

アリババは今後、若者の起業支援や、都市部と農村部の情報格差の解消などに向けた資金提供のほか、「共同富裕」の理念を体現するモデル地区の建設を支援する基金を立ち上げるとしている。

習近平政権ではハイテク企業への締め付けを強化している。昨年11月にアリババ傘下のアントグループが計画した史上最大規模の株公開(IPO)が当局によってストップされた。今年4月にも、同グループに独占禁止法違反で182億元(約3090億円)の巨額な罰金を科した。

アリババのほか、IT大手テンセントやフードデリバリー大手の美団、スマートフォンメーカーの小米科技(シャオミ)、動画共有サービスTikTokを運営する字節跳動科技(バイトダンス)などの大手企業も、独占禁止法違反およびデータセキュリティなどの理由で当局によって巨額の罰金を科された。

習近平氏は先月開いた会議の中で、すべての人が豊かになる「共同富裕」を目指すという目標を掲げ、富裕層への締め付けに乗り出した。

習氏はまた、「高収入を合理的に調節し、違法収入を取り締まる」と三次分配について発言している。

それを受け、企業は自発的に寄付する動きを見せている。

習氏の「共同富裕」発言の同日、テンセントは、農村地域の振興や低所得者の支援に500億元(約8500億円)を寄付すると発表した。同社は今年4月にも500億元の寄付を発表したばかり。

また、テンセントの創業者である馬化騰氏も自己保有の株式20億元(約340億円)を慈善団体に寄付すると約束した。

ほかにもフードデリバリー大手の美団、バイトダンス、シャオミの各創業者が相次ぎ巨額の寄付を発表した。

雑誌「北京之春」の編集長である陳維健氏は大紀元に対し、「中国は過去にもこのような『共同富裕』のスローガンの下で、金持ちや企業から財産を奪ったが、しかし当局に奪われた財産は共同富裕に使われることなく、政府や権力者の手に渡った」と指摘した。

「当局による民間企業に対する強奪は、最終的には中国のすべての民間企業を破壊する結果になる。中国は再び毛沢東の時代に戻り、経済は崩壊に直面し、人民も極度の貧困状態に陥るだろう」と陳氏は信じている。

(翻訳編集・李凌)

 

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