ロイター通信は7日、BGIグループが中国軍と共同開発した出生前検査のデータを二次利用していると報じた(宋碧龍/大紀元)

ゲノム解析大手BGI、出生前検査で中国軍と協力 複数の国が調査乗り出す=報道

ロイター通信6日付によると、世界5カ国の医療規制当局は、中国ゲノム解析大手、華大基因(BGI)が開発・販売する非侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)の商品「NIFTY」を調査している。7月、BGIは出生前検査中国軍と共同開発し、同検査で集めたデータを二次利用し、中国当局に提出する恐れがあると報じられた。

7月の報道を受けて、各国の規制当局は、国民の遺伝子データが他国に送られる場合の規制監督に新たな課題が浮上したとの見方を示した。カナダの当局者は、報道は「非常に機密性の高い」情報に関する重要な問題を提起したとして、現在調査していると明らかにした。欧州のスロベニアとドイツの規制当局は、欧州連合のデータ保護条例に照らして、NIFTYをめぐって調査を進めている。

ドイツ、オーストラリア、エストニア、カナダの規制当局はBGIに対して、女性の遺伝子データを使用する際の透明性を求めている。データが海外に転送されたとしても、BGIとその現地ベンダーがデータのプライバシーを確保するよう呼びかけた。欧州データ保護監督機関(The European Data Protection Supervisor)は、現在状況を監視していると明らかにした。

ロイターは7月、BGIと中国軍が開発した「NIFTY」は、欧州、カナダ、オーストラリアなど少なくとも52カ国で販売されていると伝えた。この検査を受けた女性は世界全体で840万人に上るという。同検査では、母体から採血して、胎児の異常を調べる。ロイターの調査によれば、一部の女性の遺伝子データが、BGIの「国家基因庫」と呼ばれるデータベースに保管されている。中国当局は同データベースに資金を提供しているという。BGIは、NIFTYで送られてくる検査後の血液サンプルなどを人口調査に使っていると認めた。

ロイター通信6日付によれば、BGI側は、中国軍と協力してNIFTYを開発したとの指摘について否定した。同社は、検査を受けた女性のプライバシーを重視し、法令を遵守しているとし、海外の女性を対象としたNIFTY検査は全体のわずか5%だと示した。

NIFTYの利用同意書は、女性に対して血液サンプルなどが海外のBGIの研究機関に送られ、研究に使われることへの許可を求めている。NIFTYの関連ウェブサイトで掲載されているプライバシーポリシーは、国家安全保障上の目的で中国当局にデータの共有を要求される可能性があると記している。BGIは当局からこのような要請を受けたことがないという。

(翻訳編集・張哲)

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