豪州が米英と安保協力で合意、中国は反発も報復見合わせか
[シドニー 16日 ロイター] – オーストラリアが15日、インド太平洋地域における安全保障上の協力関係構築で米英と合意したことは、最大の輸出先である中国との関係悪化につながりかねない。ただアナリストは、中国は豪州から輸入する資源に依存しているため、報復的な措置に出る可能性は低いとみている。
フリンダース大学の国際関係講師、マイケル・サリバン氏は、中国は今回の合意を脅威ととらえると指摘。「米英との防衛協力を拡大し、将来的にはオーストラリアに米国の戦略的攻撃能力を構築するという決定について、中国は、シルクロード経済圏構想『一帯一路』など国益への軍事的な脅威が増したことが確認されたと考えるだろう」と述べた。
豪州の対中輸出は7月までの1年で1730億豪ドル(1270億米ドル)と過去最高を記録。大半が資源で、中でも稼ぎ頭は鉄鉱石だ。
一方、中国は豪州から鉄鉱石を買い続ける以外に選択肢はほとんどない。自国の鉱山は消費量の15%を産出するにすぎず、他の調達先はブラジルぐらいだが、ブラジルは生産能力面の制約に直面している。
AMPキャピタルのチーフエコノミスト、シェーン・オリバー氏は「中国が鉄鉱石輸入を停止したら、オーストラリアへの打撃は甚大なものになろうが、中国は自国経済の大半を閉鎖せざるを得なくなる」と話す。「オーストラリアは新たな輸出先を見つけることができている。中国との緊張は脅威だが、影響はそれほど大きなものではない」とした。
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