「強制臓器収奪の撲滅と阻止に関するワールドサミット」は今月17~26日までの2回の週末に開催された(サミット主催者より提供)

中国臓器狩り国際サミット開催 法曹界は各国に立法促す

中国で起きている良心の囚人を狙った強制臓器摘出に関する国際会議がこのほど、オンラインで開催された。中国人権問題に携わる各国の弁護士らは、各国政府に対して、強制臓器収奪問題に関する刑法を制定し、中国共産党の犯罪行為を共同で処罰するよう呼びかけた。

「強制臓器収奪の撲滅と阻止に関するワールドサミット」は今月17~26日までの2回の週末に開催される。期間中、19カ国から合計38人の専門家や政府関係者がパネリストとして参加した。参加者らは医学、法律、政治、メディア、市民社会、立法政策の6つの分野から、中国当局による強制臓器収奪が社会に及ぼす影響について討論した。

18日には、第2回会議「法曹界の視点」が開かれた。

2006年、カナダ人権弁護士のデービッド・マタス(David Matas)氏と同国元外交官のデービッド・キルガー(David Kilgour)氏は独立調査を発表した。マタス氏は18日の会議で、「共産主義の中国では、法律は反共産党体制の人々を抑圧するために使われている。中国には法治は存在しない。共産党の統治しかない」と、臓器売買ビジネスをやめるという中国の約束を信じてはいけないことを力説した。

マタス氏によると、イスラエルや台湾などでは強制臓器収奪を防止するための立法が行われた。また、一部の国では関連の法体制を整備している。「しかし、全世界には190余りの国があるのに、法律を成立させた国は非常に少ない」と同氏は述べた。

「中国では、臓器売買は数十億ドル規模の産業となっている。臓器を目的とした『良心犯』の大虐殺は、国家ぐるみで行われている。刑務所や中国軍を含む政府の病院を通して運営され、組織化されている」

スペインのカルロス・イグレシアス(Carlos Iglesias)弁護士は、中国当局は法輪功学習者への迫害で大虐殺の罪を犯したと強調した。

イグレシアス弁護士は2003年、同国の法輪功学習者からの依頼を受け、「大虐殺罪」と「拷問罪」を犯したとして、江沢民、羅干、薄熙来など法輪功迫害の首謀者5人を相手取り訴訟を起こした。07年、スペインの全国管区裁判所が受理し、調査を開始した。09年、同裁判所は5人を起訴した。13年、同裁判所は大虐殺に関与したなどの容疑で5人への逮捕状を出した。

イグレシアス氏は会議で、「中国共産党の幹部は強制臓器収奪を通じて莫大な利益を得た。江沢民は、1999年に法輪功学習者への弾圧を決定した当時、すでに各級幹部を巻き込もうと考えたに違いない」と指摘した。

「その目的は、中国国民の信仰心を完全に根絶することだ。強制臓器収奪において、中国の医療衛生関連機関、軍、プロパガンダ宣伝機関など、すべての政府機関が共犯者となった」

イグレシアス氏は、「中国当局は犯罪を隠すために、国連人権理事会や世界保健機関(WHO)などの国際機関に賄賂を渡したり、脅迫したりしている」と批判した。

台湾の人権弁護士、朱婉琪氏は、「われわれ人類は、21世紀の未曽有のこの人権侵害を全面的に懲罰しなければならない」と述べた。

朱弁護士は、中国当局が法輪功学習者を主要対象に強制臓器摘出を行っていることを強調した。同氏は「この組織化された犯罪体制は複雑で、範囲が広い。中国だけではなく海外にも影響を及ぼしている」と示した。

「世界各国の司法機関は積極的に調査を行い、犯罪者を起訴すべきだ。同時に、各国の行政機関は関与者の入国を禁止し、中国の医療関係者の研修に協力せず、中国の臓器移植産業に関する論文などを発表しない、などの対策を講じるべきだ。立法機関も強制臓器摘出を制止するために、より厳しい刑法を制定しなければならない。各国はこれらの課題に早期に取り組むよう希望する」

韓国ソウル行政裁判所の金松判事は、現在ますます多くの国はマグニツキー法を採択したため、各国は共同で制裁を強化すべきだと述べた。

「政治的な妨害があるため、国連に制裁措置を求めるのは現実的ではない。米国、欧州連合、英国とカナダ等は、マグニツキー法の同盟を結んでいる。この協力関係はシナジー効果(相乗効果)をもたらすだろう」

(翻訳編集・張哲)

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