加藤勝信官房長官は24日の閣議後会見で、台湾は基本的価値を共有し、緊密な経済関係を有する極めて重要なパートナーであり、環太平洋連携協定(TPP)への加盟を申請したことを「歓迎したい」と述べた。資料写真、2020年9月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

日本の閣僚から「歓迎」相次ぐ、台湾のTPP加盟申請

[東京 24日 ロイター] – 台湾が環太平洋連携協定(TPP)への加盟を申請したことについて、議長国である日本の閣僚は相次ぎ歓迎の意を表明した。加盟条件を満たせるかどうか、中国が申請した際は懐疑的な見方も出ていたが、台湾については加藤勝信官房長官が「肯定的に受け止めている」と発言。台湾を自国の一部とみなす中国が猛反発しているものの、西村康稔経済再生相は「加入は協定上可能」と語った。

台湾の正式な加盟申請を受けて24日、閣議後にそれぞれ会見した加藤官房長官、麻生太郎財務相、西村再生相、梶山弘志経産相は、そろって「歓迎したい」と語った。16日に申請した中国に対してと同様、加盟国に義務付けられた知的財産などのルールを「完全に満たす用意ができているかどうか、しっかりと見極める必要がある」と付け加えたものの、「歓迎」という言葉は台湾にのみ使った。

西村再生相は「基本的な価値を共有し、緊密な経済関係を有する重要なパートナー」と台湾を形容、梶山経産相は「かねてから高いレベルの内容を有するCPTPPへの参加申請に向けたさまざまな取り組みを公にしてきている」と述べた。加藤官房長官は、蔡英文総統がすべてのルールを受け入れる用意があると決意を示していることに言及し、「肯定的に受け止めている」とした。

一方、中国の外務省は23日、台湾が「いかなる公的な協定や組織に加盟することにも」反対すると表明した。台湾によると、TPP申請発表の直後に中国軍機が台湾の防空識別圏に侵入した。

西村再生相は24日の会見で、中国が反発する中で議長国である日本の対応を問われ、「台湾の加入は協定上可能」だと説明。協定は新規加入の対象を国、または独立関税地域と規定しているとした。

TPPは2018年に日本やオーストラリア、ニュージーランドなど11カ国が署名して発効した。加盟するにはモノの関税だけでなく、知的財産や投資の保護、政府調達、国有企業、電子商取引などのルール面で条件を満たす必要がある。今年に入り英国が、今月16日は中国が加盟を申請した。

麻生財務相は17日の会見で、中国が条件を満たせるかどうか疑問視。「新規加入できるような状態ですかね今の中国は、と単純に思う」とした上で、「例えば国有企業のルールなどが細かく書いてある」と述べていた。台湾の加盟申請については24日の会見で、「日本として歓迎すべきこと」とし、「他の参加国との相談も踏まえて公平にきちんと対応する」と語った。

(金子かおり、杉山健太郎、山口貴也、清水律子 編集:久保信博、青山敦子)

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