日米豪印の首脳会合、毎年開催で合意 「さらに発展」と菅首相
[東京/ワシントン 25日 ロイター] – 訪米中の菅義偉首相は日本時間25日午前(現地時間24日)、日米豪印首脳によるクアッド会合の終了後、記者団の取材に応じ、同会合を毎年開催することで合意したことを明らかにした。
<インフラ、宇宙、クリーンエネルギーで協力>
菅首相は、新型コロナウイルスワクチンやインフラ、宇宙、クリーンエネルギーなどで協力することで合意したとした上で、「日本が推進してきた日米豪印の取り組みが完全に定着することになった」と述べた。「4カ国の自由で開かれたインド太平洋の実現のための協力のさらなる発展に向けて、大変に有意義だった」と語った。
クアッド会合はインド太平洋地域で存在感を高める中国を念頭に、民主主義や法の支配といった価値観を共有する4カ国で作る連携の枠組み。今年3月にテレビ会議で初の首脳会合を開き、年内の対面会合実施で合意していた。
<次期首相への要望>
就任から約1年で退任する菅氏は、任期中の外交成果について、「バイデン米大統領との信頼関係のもとに日米は同盟のさらなる強化に取り組み、両国のきずなを一層強めることができた」と指摘。「日本が推進してきた、自由で開かれたインド太平洋の具体化に向け、米豪印のほか、欧州や東南アジア諸国連合(ASEAN)など志を共にする同志国との連携を深めることができた」と述べた。
次期首相の外交政策への要望を問われ、「確固とした戦略のもと、世界の平和と安全に貢献する外交を積極的に展開して欲しい」と語った。
クアッド会合は日本時間午前4時前に開始。菅首相は冒頭、「基本的価値を共有する4カ国がインド太平洋地域に法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を実現するために協力する、極めて重要な取り組み」と発言。「史上初の対面での会談を実現することができ、共通のビジョンへの揺るぎのないコミットメントを示す」と述べた。
菅氏は会合後、バイデン米大統領との会談にも臨んだ。