米攻撃型原潜、南シナ海で物体に衝突し乗員負傷 自力で基地へ航行

米太平洋艦隊は7日、米海軍シーウルフ級攻撃型原子力潜水艦コネチカット」が2日午後、インド太平洋地域の公海で潜航中に「物体」に衝突したと発表した。複数の米軍関連メディアの報道によると、場所は南シナ海で、約10人の乗組員がケガを負ったという。潜水艦は自力で基地へと航行している。

米海軍は乗組員のケガについて「命に係わる」ものではないと発表した。潜水艦の原子力推進機関には損傷がなく、艦は「安全で安定した」状態だという。衝突した物体は明らかになっていない。

米軍の機関紙「星条旗新聞(Stars and Stripes)」の報道によると、潜水艦は自力でグアムの基地へと航行しており、近日中に到着する。米海軍は、潜水艦は支援を要請していないと公表した。

海軍の情報に詳しいUSNI(米海軍協会)は国防総省関係者の情報を引用し、衝突事件で11人の乗組員が軽傷を負ったと報じた。潜水艦は基地へ向けて航行しており、本日中にも到着するという。

「コネチカット」は3隻しか建造されなかったシーウルフ級攻撃型原子力潜水艦のうちの1隻であり、冷戦時代に脅威とされていたソ連の潜水艦を攻撃するために設計されている。

事故が起きた南シナ海周辺では近日、日米英などが大規模な共同訓練を行った。「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の実現を目指し、拡張主義を取る中国共産党をけん制した。

(王文亮)

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