人間の良い友である犬の鼻は、肺がんや前立腺がんなど、人間の多くの病気を発見することができる(Bjorn999 / PIXTA)

犬の鼻は医療器具より優れている? 肺がんをはじめとする様々な病気を嗅ぎ分ける

人間の良い友である犬は、訓練によって、ランドセルに隠したリンゴや、空港の麻薬売人が密輸した麻薬を嗅ぎ分けることができるだけでなく、肺がんや前立腺がんをはじめとする人間のさまざまな病気を嗅ぎ分ける事ができます。

現在、肺がん検診は主にCTスキャナー(コンピュータ断層撮影)を用いて行われており、肺がんの死亡率は20%減少していますが、誤診の約4分の1は確認のための追加検査が必要です。 ドイツの研究者は、肺がんの匂いを嗅ぎ分ける訓練をした犬が、高い精度で肺がんを判定できることを発見しました。

ヨーロッパの呼吸病雑誌(European Respiratory Journal)に掲載された研究では、研究者らは、2匹のジャーマンシェパード、オーストラリアンシェパード、ラブラドールレトリバーを訓練し、彼らは、肺がん患者の100個の呼気サンプルのうち71個を正常に識別し、健康な人の400個の呼気サンプルのうち372個を正しく識別し、偽陽性率はわずか7%でした。研究者のThorsten Walles博士は、この犬が肺がんを特定する能力が、コンピュータ断層撮影と気管支鏡検査の組み合わせよりも高いことに感銘を受けたと述べています。

他のガン研究では、犬を訓練して乳がん、膀胱がん、皮膚メラノーマ、前立腺がんを嗅ぎ分けることができ、前立腺がんは93%のケースで正しく識別され、現在の前立腺特異抗原のスクリーニング方法よりもはるかに優れています。

犬はさまざまな種類のがんを見分けるだけでなく、低血糖やてんかん発作を見分けることもできるように訓練されています。例えば、患者自身が発作を予測できないことが多い中、幼少期から訓練された犬は、発作の兆候や症状を認識し、前足で引っかいたり、吠えたり、舌で舐めたり、回ったりして飼い主に発作に備えての準備などを促します。

犬の嗅覚は人間の1万倍から10万倍と言われており、オリンピックプール2個分の水にスプーン1杯の砂糖を溶かした場合に相当する10億分の1の濃度を感知することができます。人間の鼻にある600万個の嗅覚受容体に比べて、犬の鼻には約3億個という膨大な数の受容体があります。犬の鼻にはヤコブソン器官と呼ばれる「嗅覚室」があり、これが犬の強力な嗅覚と関係していると考えられています。

もしかしたら人間の良き友、犬はいつの日か本当に医者の診察室に座る事になるでしょうか?もしそうなったら、病院は不思議な光景に変わるでしょう。実際には、犬が病気を見分ける成功率は、訓練の期間や病気の種類によって犬ごとに異なります。専門的に病気を検出できるようになるまでには、まだまだ時間がかかるようです。

フィラデルフィアにあるモネル化学感覚センターのディレクターであるブーシャンプ博士は、これらの犬の実験的研究は、少なくとも新しい検出方法の可能性を示唆していると語っています。犬が病気を発見できるのは、犬の嗅覚の感度だけではなく、犬が匂いを処理して識別する方法は、もっと複雑なプロセスであり、それが鍵となる。と述べました。また、このプロセスを模倣できるデバイスがあれば、病気の診断に役立つだろうと語りました。

(翻訳・志水慧美)

 

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