歌うことでこれだけのメリット!ダイエットや免疫力アップなど5つの効果
鼻歌やカラオケなど、歌を歌うのが好きな人は多いと思います。 生活に楽しさをもたらすだけでなく、最近では歌うことが健康にもつながるという研究が増えており、ダイエットや免疫力アップなど5つの効果があると言われています。
歌はストレスを解消し、痛みを和らげ、免疫力を高めることができる
人が歌うと、エンドルフィンとオキシトシンという2つのホルモンが体内で分泌されます。
世界音楽療法連盟の東南アジア地域連絡員であるバイシャリ・ムケルジー氏はBBCの取材に対し、「歌は有酸素運動の一種で、エンドルフィンやオキシトシンを放出します」と語っています。
エンドルフィンとも呼ばれるこの物質は、痛みを和らげる作用があり、体内で鎮痛剤のような働きをします。 また、エンドルフィンは快感を与えるもので、ストレスや不安を軽減するのに重要な役割を果たします。
ムケルジー氏によると、これにはエンドルフィンがストレスを軽減する働きが関係しているそうです。 ストレスや体の不調や病気、心の痛みを抱えていても、音楽は心と体に影響を与える可能性があります。
実はオキシトシンは、母親が出産、授乳、の際に分泌されるホルモンとして知られており、老若男女ともに、日常生活の中で親切にしたり、歌ったりすることで、オキシトシンの分泌が促されます。
多くの研究で、オキシトシンは痛みや憂鬱、不安を軽減し、免疫機能を高めることがわかっています。 科学雑誌「Pharmacological Reviews」に掲載された研究では、オキシトシンが免疫防御機能を強化し、炎症を抑制し、ストレスホルモンであるコルチゾールの放出を抑えることが示されました。
歌うことも、歌を聴くことは、体の中のストレスホルモンを減らす効果があります
人は、ストレスや不安、イライラを感じると、体内でストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。戦いに備えて体を整える一方で、免疫力を低下させ、体の老化を早めます。
合唱を40分行うと、体内のストレスホルモンが急激に減少するという研究結果があります。また、別の研究では、合唱曲のみを聴いた人でもコルチゾール値が低下することがわかりました。 2004年にJournal of Behavioral Medicine誌に掲載された論文では、合唱に参加した人と合唱曲を聴いた人の両方が効果があったことが確認されましたが、歌い手はそれ以上に、抗体作用のあるタンパク質であるIgAの量が大幅に増加したことが確認されました。
歌うことは全身運動であり、ダイエットにも効果的です
台湾の有名歌手であるスー・リーウェン氏は、著書『Singing for Life』の中で、「歌は全身の筋肉を使う全身運動である」と述べています。体重60kgの人の場合、歌唱時のカロリー消費率は1分間で2kcal、2時間で240kcalとなります(息の深さにもよる)。
BMJ Open Respiratory Researchに掲載された研究では、歌手ではない成人を対象に、歌に対する生理的反応を調べたところ、歌の運動効果は、適度な早歩きなどの中強度の運動と同等であることがわかりました。
歌は中共肺炎の患者などの病気の治療にも効果的
歌うことは、認知症の治療や改善にも使われています。台湾の権威ある認知症専門医である劉秀枝博士の記事によると、いくつかの小規模な臨床試験では、歌唱療法は認知症の人の認知機能には大きな影響を与えませんが、集中力を高めたり、精神的な行動の問題を改善する効果があるとされています。 認知症の患者も、特に情緒が安定しやすくなり、介護のスタッフもケアをしやすくなったようです。
また中共肺炎(新型コロナ肺炎)の患者は、回復後も呼吸困難に陥りやすいと言われています。国立オペラハウスは、国民保健サービス(NHS)の病院と提携し、音楽と医療の専門家を組み合わせた歌劇や呼吸法のトレーニングプログラムで、呼吸困難や不安などの症状の治療を支援しています。
6週間のトレーニング後、12名の参加者は、オペラが呼吸困難や不安感を改善し、肉体的にも精神的にも良い影響を与えたことがわかりました。
歌唱療法は、肺閉塞やいびきの改善にも用いられています
日本では、南越谷フィットネスクラブがカラオケルームを設置し、肺閉塞症の患者さんが歌うことで症状を和らげる治療法をしています。
英国のセント・ジョージズ病院の研究者が、合唱団員の配偶者と非歌手の配偶者にインタビューしたところ、合唱団員のいびきが明らかに減少したことがわかりました。また、歌や楽器の演奏が、いびきや睡眠時無呼吸症候群の改善に役立つという研究結果もあります。
台北医学大学附属病院胸部内科の徐上富医師によると、「歌」は筋機能療法に近いもののようです。 この治療法は、上気道の筋肉を鍛えていびきを治療するものです。
歌うことで言語能力や社会性を高める
メルボルン大学心理科学部学部長で臨床神経心理学者のサラ・ウィルソン氏によると、歌うという行為は体の中の何かを活性化させるが、他の人と一緒に歌うことでその効果はさらに高まるようです。グループで歌うことで、共感や社会とのつながりの感覚を高めることができると語っています。
歌うことは、人々の精神的な健康、自尊心、自信を回復させることにもつながります。これらのことは、人々の社会的活動を活発にするのに役立ちます。
また、今年2月に行われた研究では、定期的に合唱をしている人は対人関係が良好であること、合唱をしている人は言語の柔軟性の分野で優れた成績を収めていること、最近合唱グループに参加した人は全体的な健康状態がより顕著に改善していることなどが明らかになりました。
(翻訳・清水慧美)