11月26日、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が見つかったことを受け、英国に続きスペインやイタリアなどがアフリカの一部からの入国制限を発表するなど欧州での対応強化が相次いでいる。写真は同日、ドイツの空港から病院に搬送される重症の新型コロナ感染症患者(2021年 ロイター/Fabian Bimmer)

欧州、アフリカからの入国制限相次ぐ 南ア新変異株への対応強化

[マドリード/ローマ/アテネ/アムステルダム/チューリヒ/ダブリン/イスタンブール 26日 ロイター] – 南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が見つかったことを受け、英国に続きスペインやイタリアなどがアフリカの一部からの入国制限を発表するなど欧州での対応強化が相次いでいる。

南アフリカの専門家らは25日、少数ながら新型コロナの新たな変異株を検出したと発表。これを受け、英国は26日1200GMT(日本時間午後9時)から、南アフリカと隣接するナミビア、ボツワナ、ジンバブエ、レソト、エスワティニの計6カ国からの航空機乗り入れを一時的に禁止し、これらの国から帰国した英国人に隔離を義務付けると発表した。

また、ベルギーのフランク・ファンデンブルック保健相は26日、南アの新変異株「B.1.1.529」による感染を国内で確認したと発表した。欧州域内で新たな変異株の感染が確認されたのは初めてとなる。

こうした中、スペインのダリアス保健相は26日、南アフリカとボツワナからの空路での入国を制限すると発表。他の国からの入国制限も検討するという。実施時期などの詳細は明かさなかったが、来週30日の閣議で承認されるとした。

イタリアのスペランツァ保健相も同日、過去14日間に南アフリカ、レソト、ボツワナ、マラウィ、ジンバブエ、モザンビーク、ナミビア、エスワティニの8カ国のいずれかに渡航した人の入国を禁止すると発表した。

またギリシャでは、南アフリカ、ボツワナ、ナミビア、レソト、ジンバブエ、モザンビーク、エスワティニ、ザンビア、マラウイからの不要不急の入国を制限する。渡航理由が必要と認められる場合には陰性証明書の提示が義務付けられる上、入国時に2度目の検査を受け、10日間の隔離が必要となる。

オランダは国内での感染拡大を受け、レストランやバー、大半の店舗の夜間営業を禁止するなどコロナ対策を強化すると発表した。28日から実施される。生活必需品以外を扱う店舗は午後5時から翌日午前5時まで閉鎖されるほか、中等教育学校でのマスク着用義務化、在宅勤務の推奨が含まれる。

また、アフリカ南部からの航空便の発着を26日正午から停止するとともに、入国後の隔離を義務付けた。アフリカ南部の全ての国が対象となる。

スイスも、南アフリカとその周辺地域からの直行便の運航を禁止した。ボツワナ、エスワティニ、レソト、モザンビーク、ナミビア、ジンバブエ、南アフリカからの全便が対象。加えて、香港、イスラエル、ベルギーなど他の国からの渡航も制限し、26日午後8時以降の入国者に陰性証明書の提示と10日間の隔離を義務付けた。

アイルランドは、アフリカ南部7カ国への不要不急の渡航を避けるよう勧告。入国者に対するホテルでの隔離措置の再導入を検討している。

トルコは26日夜から、ボツワナ、南アフリカ、モザンビーク、ナミビア、ジンバブエからの渡航者の入国を禁止する。

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