12月17日、英国、オーストラリア両政府は、自由貿易協定(FTA)に署名した。写真は英リバプールの港で10月撮影(2021年 ロイター/Phil Noble)

英豪、FTAに署名 貿易総額100億ポンド増加へ

[ロンドン/シドニー 17日 ロイター] – 英国、オーストラリア両政府は16日、自由貿易協定(FTA)に署名した。

関税削減、農業分野などの市場開放、サービス業の専門人材の自由な移動促進などを通じ、両国の貿易総額は最終的には100億ポンド(133億ドル)以上増加すると予想されている。

FTAにはオーストラリア産ワインの関税削減やオーストラリア産牛肉の無関税枠の設定が盛り込まれており、対中関係悪化で打撃を受けているオーストラリアの輸出業者にとって朗報となる。

オーストラリアに輸出される英国製の自動車、ウイスキー、菓子、化粧品の関税も段階的に廃止される。

オーストラリアのモリソン首相は「ニュージーランドとの協定を除けば、オーストラリアにとって最も包括的かつ野心的なFTAとなる」と表明した。

オーストラリアから英国に輸出する製品の99%の関税が撤廃される。撤廃規模は92億豪ドル(66億ドル)。オーストラリア産ワインは4300万豪ドルの関税が削減される。

オーストラリア産牛肉については、当初3万5000トンの無関税枠が設定され、10年後には関税が撤廃される。

英国企業の対オーストラリア投資も奨励される見通し。ワーキングホリデー制度も拡充され、35歳以下のオーストラリア人が3年間、英国で働くことが可能になる。

オーストラリアのフライデンバーグ財務相は17日、ロイターBreakingviews主催のイベントで、中国から「経済的な抑圧」を受けてきたが、中国はオーストラリア最大の輸出品目である鉄鉱石を今後も必要とするだろうと発言。オーストラリアの輸出業者は「非常に巧みに新たな市場を開拓している」と述べた。

関連記事
ホンジュラスのシオマラ・カストロ大統領がトランプの大量強制送還にNOを突きつけた。カストロ大統領は次期トランプ政権がホンジュラス国民の大量強制送還を実施した場合、米軍基地の閉鎖を検討すると述べた
韓国当局は弾劾された尹錫悦大統領の逮捕を試みたが、官邸で治安要員に阻まれた。6時間の対立後、逮捕状の執行を中止した。
フォルクスワーゲンの子会社がデータ漏洩が発生、約80万台の電動車の運転データが数か月間公開され、駐車位置やバッテリー情報などが漏洩。原因はクラウドセキュリティの脆弱性によるもので、同社は現在は解決済みだとしている。
ベネズエラ最高裁がTikTokに1千万ドルの罰金を科す。プラットフォーム上の危険な挑戦により3人の子供が死亡、数十人が負傷したため。10日以内の支払いと国内事務所設置を命令。
インドが初の長距離極超音速ミサイル試射に成功し、先端兵器保有国の仲間入りを果たした。極超音速ミサイルは音速の5倍を超える速度を持ち、非常に高い機動性を誇る。飛行軌道は低く、飛行中に攻撃目標を調整でき、通常の弾道ミサイルよりも追跡・迎撃が困難だ。