12月19日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株が世界で急速に広がる中、オランダはロックダウン(都市封鎖)に入った。写真は米ペンシルベニア州ランズデールで5日撮影(2021年 ロイター/Hannah Beier)

オミクロンが世界で急拡大、オランダは年末休暇前にロックダウン

[ロンドン/ワシントン 19日 ロイター] – 新型コロナウイルスのオミクロン変異株が世界で急速に広がる中、オランダは19日、ロックダウン(都市封鎖)に入った。クリスマスと年末の休暇シーズンを前に、欧州の他の複数国でも行動制限が強化される可能性が強まった。

バイデン米政権のファウチ首席医療顧問は、オミクロンが「世界で猛威を振るっている」と述べ、親族の集まりのために旅行する場合はワクチンの追加接種(ブースター接種)を受け、混雑している場所では常にマスクを着用するよう呼び掛けた。

オランダのルッテ首相は18日夜にロックダウンを導入すると発表し、翌日に実施された。生活必需品以外の小売店やレストラン、美容院、ジム、美術館などを少なくとも1月14日まで閉鎖する。国民はクリスマス・年末の予定を変更せざるをえなくなった。

世界保健機関(WHO)の18日の発表によると、オミクロン株の感染は89カ国に広がり、市中感染が起きている場所では感染者数が1.5─3日ごとに倍増している。ただ、重症化の度合いなど、多くがなお不明なままだとした。

オランダ以外では、欧州の複数の国が行動制限の強化を検討している。クリスマスや年末の消費増に期待している企業にとっては痛手となる。

英国のジャビド保健相は19日、政府がクリスマス前に制限を強化する可能性に含みを持たせた。ジョンソン首相と保守党に不祥事が相次ぎ、政権の弱体化が懸念されているが、ジャビド氏は、必要になった際に制限を強化できないほど弱体化はしていないと述べた。

イタリア政府は、休暇シーズン中の感染者の急増を回避するための新たな措置を検討していると現地紙が19日に報じた。

ドイツのローターバッハ保健相は19日、クリスマス当日のロックダウンの可能性を否定したが、コロナ感染第5波はもう止められないとし、ワクチン義務化が大流行を終わらせる唯一の手段だとの見方を示した。

ロイターが集計している240カ国のうち64カ国でコロナ新規感染者は増加しており、英国を含む12カ国は新規感染者が過去最多を記録している。

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