米上院民主党トップ、フィリバスター巡る規則変更視野 投票権案で
[ワシントン 3日 ロイター] – 米上院民主党トップのシューマー院内総務は3日、共和党により進展が阻止されている投票権関連法案について、可決しやすくするため、フィリバスター(議事妨害)に関する規則変更の是非を今月中に採決する考えを表明した。
米国では昨年、共和党が優勢の州で投票権を制限する法案が相次ぎ可決された。背景には2020年の大統領選で敗北した共和党のトランプ前大統領が不正行為のまん延を主張して選挙結果を認めなかったことがある。
シューマー氏は上院民主党の議員らに宛てた書簡で、昨年1月6日にトランプ氏の支持者などが選挙結果の確定を阻止しようとして議会議事堂を襲撃した事件に触れ「この乱暴な暴動と同様に、全米各地で共和党の州当局者らは、投票者の不正に関するトランプ氏の大うそを根拠に反民主主義的法案を可決した」と批判。この流れを止めるために「強い行動」を起こす必要があると訴えた。
投票権法案の審議を進めるには、定員100議席の上院でフィリバスターを阻止する60票を確保する必要があるが、民主党は昨年、共和党側の抵抗で4回にわたり審議入りを阻まれた。上院では両党の勢力が拮抗している。
シューマー氏は、規則変更に関する採決を今月17日の祝日までに行うと述べた。規則変更は単純過半数で承認できるが、民主党の2人の中道派議員は繰り返し規則変更に反対を表明している。
2人のうちシネマ議員は3日の声明で、投票権とともに、フィリバスターを認め、60票の賛成を必要とする規則も支持していると表明。その上で、上院規則を議論することには前向きだとした。
もう1人はマンチン議員で、コメントを求めたところ回答はなかった。
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