ナッツは健康の源「いろいろな種類を食べましょう」

ピスタチオヒマワリの種、ピーナッツ、カシューナッツ、クルミなど、お馴染みのナッツにはいろいろな種類があります。

毎日適量のナッツ類を食べることは、皆さんの健康維持のために、ぜひお薦めしたい食習慣です。

「どの種類のナッツが、いいですか?」

ナッツ類は健康的な食物で、適量を毎日食べることで心臓血管を保護し、がんを予防する効果もあります。

ナッツ類に豊富に含まれている不飽和脂肪酸は、心臓血管の病気を予防するだけでなく、骨を強化するビタミンDなどの脂溶性ビタミンの吸収を助けます。またナッツ類には、フリーラジカルを除去してがんを予防するビタミンEも含まれています。

食用にされる各種のナッツは、マグネシウム、カルシウム、カリウム、リンなどの必須ミネラルも含まれています。また、ナッツの薄い皮(茶皮)に含まれる植物ステロールは血中脂質の抑制に役立ちますので、茶皮も捨てずに食べるようにしましょう。

では、それぞれの種類のナッツには、どんな栄養や効能があるでしょうか。

1、ピーナッツ

ピーナッツには、不飽和脂肪酸のほかに、体に吸収されやすいタンパク質が豊富に含まれています。ピーナッツの外側の薄皮(赤い皮)には、補血や止血の機能、および脳の老化を防ぐ効能があります。

ただし、ピーナツを多く食べるとのぼせやすくなりますので、日頃からアレルギーがあり、皮膚に痒みが出やすい人は食べる量に注意してください。

 

ピーナッツは薄皮(赤い皮)も一緒に食べると、より多くの栄養を摂取できます。(Shutterstock)

2、ピスタチオ

ピスタチオに含まれているキサントフィルやゼアキサンチンは、黄斑変性を防ぎ、ブルーライトで起きる目の疲労を軽減する栄養素です。

またピスタチオに含まれるビタミンE、マグネシウム、リンなどの栄養素には、気持ちを安定させ、ストレスを緩和するはたらきがあります。

3、瓜の種とヒマワリの種

食用にされる瓜の種には、主としてカボチャの種とスイカの種があります。カボチャの種には、前立腺を保護する亜鉛が豊富に含まれており、前立腺の肥大を予防します。

ヒマワリの種は大量のセレンを含み、心臓血管を保護するだけでなく、人体組織の老化を遅らせ、甲状腺機能を向上させることができます。

中国や台湾で市販されている醤油味のスイカの種は、カリウムやマグネシウム、ビタミンEなどを含んでいますが、味付けが濃いため、塩分を過剰摂取しやすいので注意してください。

4、カシューナッツ

目の健康に良いゼアキサンチンとアントシアニンが含まれています。皮付きカシューナッツのほうが、アントシアニンの含有量が多くなっています。

カシューナッツの外形は腎臓に似ています。漢方医学で「以形補形」と言いますが、これは「体の弱い部分を、他の動植物の同じ部分や似ている部分によって補う」ということです。

そこで「カシューナッツには腎臓を補う効果がある」と考えるわけです。実際、カシューナッツを食べると腎臓機能が調整されますので、血液循環が促進され、血液を養い、さらに脾臓を健康にするなどの効能もあります。

5、クルミ

α-リノレン酸(ALA)と呼ばれるオメガ3脂肪酸を含んでいて、脳の保養に効果があります。

クルミには抗がん効果もあり、毎日クルミを摂取すると、がん細胞のアポトーシス(細胞死)を促進することが実証されています。

食べる目安は「ひとにぎり」

ナッツ類は油脂性の食品なので、健康に良いからといって多く食べる必要はなく、適量を食べるようにしてください。1日に食べる量の目安は、片手で軽く「ひとにぎり」の量です。5~6粒でも足ります。

また、1種類のナッツを食べるよりも、さまざまなナッツを少量ずつ食べることで、バランス良く栄養をとることができます。

ただし、「腎臓病患者」「減量のため体重管理している人」および「ナッツ類にアレルギーのある人」は、ナッツ類を食べることは控えるか、ごく少なく食べるようにしてください。

(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)

関連記事
寿命が延びても晩年の健康リスクが増えるベビーブーマー世代。肥満や慢性疾患が生活の質や政策に与える影響について解説します。
長時間座りがちな現代人にぴったり!30代から始められる簡単エクササイズで姿勢改善や筋力アップを目指し、健康な体作りをサポートします。
秋の味覚で心臓を健康に保つ!かぼちゃやりんご、サツマイモなど、心臓を守る栄養満点の果物や野菜を詳しくご紹介します。
腸や肺にある「粘液」の役割に注目し、病原体から体を守る防御メカニズムを解説。健康維持に必要な食生活のポイントもご紹介します。
子供のメンタルヘルスが肥満予防に影響することを示した最新研究。心理的健康が健やかな体重管理にどのように役立つか、その重要性を考察します。