人は、大地に直接触れることで、大自然のエネルギーを吸収できます。それは人間の生理機能を正常な状態に戻し、病気を解消するのです。(Shutterstock)

「アーシングは最良の消炎鎮痛剤」その驚くべき治癒力

土の地面を裸足で歩く「接地気」とは、地気(大地エネルギー)に接して、体内に取り入れることです。アーシング(Earthing)という概念に、およそ一致します。

古くからある「新しい療法」

それが体に良いとお聞きになったことがあるかもしれませんが、具体的にはどんなメリットがあるのでしょうか。

実は、アーシングが健康に良いという考え方は、最近20年ほどでやっと科学的に証明され、少しずつ知られるようになったものです。

世界のどの民族も、古い歴史時代においては、裸足で土を踏む生活が身近にありました。

中世以降に、ある社会階級が形成されてから「履き物をはく階層」の人も出ました。それでも大多数の人は、期せずして大地に直接触れるアーシングをしていたわけで、おそらく彼らは現代の私たちよりも(平均寿命は短いとしても)はるかに健康的な生活をしていたはずです。

ところが現代の私たちは、大地から隔絶されたオフィスビルで、そこが快適な空間であるかのように巨大な錯覚を起こしたまま、日々の業務に追われています。おかげで、天然自然であったはずの体に、とんでもなく深刻な狂いが生じてしまいました。

「自然に帰る」喜びと安らぎ

そこで見直されたのが、アーシングの効能です。

体が大地に触れると、生理機能が安定します。炎症や痛み、ストレスが減り、睡眠の質が良くなる上、滞っていた血液やリンパ液の流れが改善されます。人はここに至って、ようやく原始に帰る幸福を思い出すことができたのです。

ますます多くの科学的エビデンスが出てくると、アーシングは次第に医師の処方箋になり、いくつかの難病に対処する際の有力な選択肢になりました。

海岸近くで開業するある鍼灸医師は、患者の症状によって、近くの砂浜を素足で歩くように勧めています。

例えば、足のむくみが重篤な腎臓病患者に対して、その鍼灸医師はクリニックのスタッフ2人を手配して患者を海岸まで案内し、湿った砂浜に座らせ、掘った穴に患者の足を入れて埋める「砂療法」を試みます。

20分もすると、患者の足のむくみは治まり、楽に歩けるようになると言います。

 

砂浜を裸足で歩く

また、これは日本での症例です。アトピー性皮膚炎で赤く腫れた部分がただれ、ステロイド剤を常用していた女性がいました。その時、この女性は経済的に困窮していましたが、皮膚炎による外見の変化が一因となって、職を失ってしまいました。

追い打ちを受け、精神的に非常に苦しい境地に置かれた彼女は、ある日、そのただれた手足をのばして、地面に触れました。そのとき、何か、新鮮な感覚をおぼえたのです。

幸い海に近い場所だったので、車に乗って海岸へ出かけ、潮風に吹かれながら素足で砂浜を歩きました。

失職中に持てたゆとりの時間ではありましたが、不思議なことに1週間ほどで、女性の皮膚のただれの症状に改善が見られたのです。皮膚の再生速度も速くなりました。

だんだん患部の痒みもなくなり、むけていた粗皮も消え、あれほど女性を悩ませた症状は半年後に大幅に改善されました。さらに1年後には、ほとんど再発しなくなったのです。

 

素足で砂浜を歩くのは、とても効果的なアーシングです。(Shutterstock)

失った「つながり」を取り戻す

人類は、古くから大地とつながっています。

地球の表面には、無限のマイナスイオンが埋蔵されています。一方、人体は半導体ですので、人の皮膚が地面と接触する時、地表のマイナスイオンは人体内部の生物電気システムに影響を与えます。

研究によると、人体が大地に接する時、多くの生理機能が刺激されてバランスが整えられ、健全に機能するようになります。

実は、人類が裸足であったり、天然素材のわらじや草履、獣皮の靴を履いていた時代には、たとえ靴を履いていても足の汗が靴底に浸潤し、足裏から電気をある程度伝導することができたのです。

そのため、昔の人々の体と大地は、基本的に通じ合っていました。

しかし人類が、安価な量産品であるゴム底靴を発明してから、靴は恐るべき絶縁体になりました。これに生活様式の変遷が加わって、人は大地とのつながりを完全に失ってしまったのです。

専門家は、この大地から隔離された現代人の状態が、多くの現代病の原因の一つになっているのではないかと指摘します。

アーシングを試みることによって病状に改善が見られたならば、その指摘は、あるいは正鵠を得ているのかもしれません。

接地気(アーシング)の目的は、人体のこのようなアンバランス状態を矯正し、病気を自然に解消することにあります。

それが可能である大地は、言わば「天然の消炎鎮痛剤」なのです。

(翻訳編集・鳥飼聡)

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