萩生田光一経済産業相は9日の衆院経済産業委員会で、サハリン1、2など日本の官民が出資するロシアのエネルギープロジェクトについて、主要国(G7)と協議した上で現状維持の方針であると改めて説明した。写真はオンライン形式で開かれた国際エネルギー機関(IEA)の閣僚会合に出席する萩生田氏(右端)。3月1日、東京で撮影(2022年 時事通信)

サハリン操業停止、ロシア蛮行止めるカードとしては検討=萩生田経産相

[東京 9日 ロイター] – 萩生田光一経済産業相は9日の衆院経済産業委員会で、サハリン1、2など日本の官民が出資するロシアのエネルギープロジェクトについて、主要国(G7)と協議した上で現状維持の方針であると改めて説明した。

その上で、一時的な操業停止の可能性について、ロシアの侵略という「蛮行を抑え込んでテーブルに着かせるために、次なるカードとして考えたい」と述べた。小野泰輔委員(維新)への答弁。

小野氏は英シェルなどがロシア権益の撤退を打ち出したのを踏まえ、サハリンプロジェクトについて権益は保持しつつ操業を停止することでロシアに資金が流れないようにすることは可能か質問した。

対ロ経済制裁に関して、萩生田経産相はG7の間で「各国の抱えている事情が違うことはお互いに理解している」と述べ、具体例として国際決済ネットワークSWIFTからのロシア排除でロシアの1位、3位銀行が除外されているのは欧州の事情だと話した。

このため対ロ制裁について「もしかしたら手ぬるいとの批判があるかもしれないが、日本が撤退してダメージを受けないなら敵に塩を送ることになる」と述べ、拙速な権益撤退は検討していないとの考えを改めて表明した。

また、対ロ制裁について主要国の間で「みんなでオプション(選択肢)を考えているのが今の状況」と述べ、「決して日本だけが後ろ指をさされることをやっているわけではない」とした。同時に、日本権益についてロシア側から「出ていけと言われる可能性もある」とも述べた。

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