研究によると、ハチミツ入りコーヒーは、ステロイド剤のプレドニゾロンより咳の緩和に効果的であることが示されました。(Shutterstock)

咳止めに効く「ハチミツ入りコーヒー」ステロイド剤よりも効果的?

現代医学で最もよく知られている「神薬」の1つはステロイドです。

そのステロイド剤の1つに気管支喘息を緩和するプレドニゾロンがあります。

ところが、最近のある研究によると、同じく感染症に続く症状を緩和する代替薬品として、「ハチミツ入りコーヒー」がプレドニゾロンよりも治療効果が良い、という結果が示されました。

「感染後の咳症状」とは流行性感冒、またはその他のウイルスの上気道感染後に起こる、激しい咳です。典型的な症例としては3週間以上、ときには数カ月間続くこともあり、患者にとって苦痛の大きい症状です。

通常、この病気の治療には、複数の強力な薬剤が使われます。

それらは、コデイン(メチルモルヒネ)、デキストロメトルファン、抗ヒスタミン薬、麻酔剤、気管支拡張剤などが主で、いずれも重篤な副作用がともないます。

この研究は、イランテヘランにある大学病院の研究者により、2008年から2011年にかけて行なわれ同国の医学誌に掲載されたものです。

3週間以上、感染後の咳を経験した97人の患者を、無作為に3群に分けて調査しました。

第1群には、ハチミツ20.8 gとインスタントコーヒー2.9 gを含む「ハチミツ入りコーヒー」を飲ませます。

第2群は、13.3 mgのステロイド剤のプレドニゾロンを服用。

第3群は対照組で、薬剤ではないアミノ酸の1種であるシトルリンを25 mg服用します。

「実験参加者には、これら内容を知らせない『薬物』をぬるま湯に溶かし、8時間ごとに1週間飲み続けてもらいました」と研究者は説明します。そのうえで、治療前と治療終了1週間後に、彼らの咳の重症度を評価しました。

以下の表に、調査結果をまとめます。

ハチミツコーヒー群と、プレドニゾロン群の治療後の咳頻度の比較表。(大紀元図)

 

ハチミツコーヒー(蜂蜜珈琲)群の咳頻度は、治療前の2.9から治療後の0.2に、大きく減少しました。

これに対し、プレドニゾロン(溌尼松隆)群では治療前の3.0から治療後の2.4と、わずかに減少したのみでした。

研究者は、この分析結果について「ハチミツ入りコーヒーが感染後の咳の緩和に、ステロイド剤より効果的であることを示しています」と記しています。

同じく研究者は、「ハチミツもコーヒーも天然の食物であり、安全で副作用もないから体に優しい。しかも薬よりはるかに安く、簡単に手に入ります」と述べています。

(文・Sayer Ji /翻訳編集・鳥飼聡)

関連記事
ココナツオイルは熟成したココナツの果肉から作り出した油脂で、成分は中鎖脂肪酸(体脂肪になりにくい)とラウリン酸(抗菌作用)、飽和脂肪酸(酸化しにくい)の三つです。中鎖脂肪酸は小腸粘膜に直接吸収され、脂肪の蓄積を抑制します。体内に入るとすばやく燃焼されエネルギーに変わり、さらに体内の脂肪も一緒に燃焼してくれることから、肥満または代謝症候群の患者にも勧められる食用油です。
朝一杯のレモンはちみつ水で、便秘改善や肌の透明感アップ、免疫力向上など8つの健康効果を実感!心も体もスッキリ目覚める新習慣を始めてみませんか?
慢性的な咳が気管支炎に拡大した場合、健康に深刻な影響を及ぼす可能性があり、病気と健康な状態の中間にいることに気づかされます。確実に病気ではありますが、寝られないほどのものではありません。
タマネギの酢漬けを長期間食べ続けた患者には、薬よりも食事療法が有効であることが研究で明らかにされています。
ハチミツに強い殺菌力があることは、以前から知られていました。近年の研究では、インフルエンザウイルスに対しても、その活性を抑制する強力な効果があることが明らかになっています。