国連安保理での拒否権行使、説明義務の付加決議案で共同提案国に=官房長官
[東京 14日 ロイター] – 松野博一官房長官は14日午後の会見で、国連安全保障理事会の常任理事国が拒否権を行使した場合、国連総会で理由を説明することを義務づける決議案が提出されたことに対し、日本が共同提案国になる決定を下したと説明した。
松野官房長官は、安保理において常任理事国が拒否権を行使した場合、国連総会の会合を開き、拒否権を行使した理由を説明することを義務づけることを内容とした決議案をリヒテンシュタインが提出したと指摘。日本としては「常任理事国による拒否権の行使は、最大限自制されるべきと考えている」と説明した。このような観点から、岸田文雄首相の指示に基づいて「わが国が本決議案の共同提案国になることを決定した」と述べた。
安保理では今年2月、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、ウクライナからの即時撤退などを求める決議案が提出されたが、ロシアの拒否権によって否決された経緯がある。米国の国連代表部はすでに同案の支持と共同提案国になる意思を表明している。
一方、4月15日が北朝鮮の故金日成主席の生誕110周年にあたり、何らかの軍事行動を起こす可能性について質問された松野官房長官は、具体的な情報収集・分析の結果についてはコメントしないとした。その上で「北朝鮮は国際社会に背を向け、核や弾道ミサイルの開発に関する活動継続の姿勢を崩していない」と指摘。「さらなる挑発活動に出る可能性を否定できない」と述べ、北朝鮮の動向に対する情報収集・分析と警戒・監視に全力を挙げていく方針を示した。
関連記事

プーチン大統領は復活祭に合わせ、19日夕から21日未明までウクライナでの軍事作戦を一時停止すると発表しました

ロシアとウクライナが黒海での停戦に合意。米国の仲介で実現し、航行の安全確保やエネルギー施設の保護などで一致。協議はサウジで開催された。

北朝鮮がロシアに再度兵力を増派。韓国国家情報院によると、クルスク州戦線に北朝鮮兵が再投入され、1,000人以上が増派されたと見られる。過去には多くの死傷者を出しており、今回も兵力補充・再編成が行われた可能性がある。

NATOのルッテ事務総長は28日、ロシアに派兵された北朝鮮軍部隊がロシア・クルスク地域に配備されたことを確認したと明らかにした。米国防総省は、北朝鮮が戦闘に加わった場合、米国はウクライナによる米兵器の使用に新たな制限を課さないと発表した。

日米韓3カ国の安全保障担当官は25日、ワシントンで協議を行い、北朝鮮がロシアに派遣した兵士がウクライナの戦線に投入される可能性について「重大な懸念」を表明した。米ホワイトハウスが発表した。