夏の困りもの「足の臭い」その消臭方法を間違えないで
夏場になると、誰でも足に大量の汗をかきます。
また、人によっては足の臭気がひどくなって、自分も気になりますし、周囲の人も困ることがあります。
汗だけが原因ではありません
実際には、足に汗をかいても足が臭うとは限りません。足の発汗は正常な代謝の現れですので、足の臭いには、汗以外の原因がある場合が多いのです。
一般的に、通気性のわるい靴、あるいは吸湿性の良くない靴下をはけば、夏場でなくても汗びっしょりになります。ただ、足をよく洗って清潔にし、靴下を吸湿性の良いものに替えるなどの対処法で、足の汗そのものはある程度改善できるはずです。
ただし、汗の量が異常に多かったり、明らかに異臭がするなどの場合は、体のどこかの器官に代謝の問題があることも考えられますので注意が必要です。
中国語の俗語でいう「香港脚」とは、いわゆる水虫のことです。
中国語の正式名は「脚癬」あるいは「足癬」と言い、白癬菌が足の指の間などに感染して、ひどいかゆみと水疱(水ぶくれ)、皮膚のただれを起こします。
この水虫も、乾いている状態ならば臭いはあまりしないのですが、水疱が破れて体液が浸みだすと、そこへさらに細菌が繁殖して臭気を発することがあります。
新光病院の医師、柳朋馳氏は、足の臭いの診断について、「足の外観に明らかな異常がなければ、白癬菌による爪や指間などへの感染の有無を診ます。局所感染がみられない場合、他の臓器疾患または代謝の問題などの可能性を考えます。原因を確定するために、尿酸値や肝機能検査、腎機能検査などの血液検査や画像検査を行う場合もあります」と語ります。
ネット上の「情報」は本当に有効か?
足の臭いの改善策として、インターネット上に見られる各種の情報について、簡潔に結論を述べると、以下のようになります。
1、「お茶で足を洗う」:効果は少ない
消臭効果は限られています。お茶でなくても、普通の水で洗うのと同じ程度の効果しかありません。
2、「粗塩の足湯」:かえって危険
粗塩を溶かした温水で「足湯」をつかうことは、全くお薦めできません。
確かに塩は、古くから消毒や殺菌、あるいは食品の保存や腐敗防止に使われてきました。
ただし、皮膚の洗浄や消毒に粗塩を使用すると、強い刺激によって皮膚がただれ、表皮が破れてしまうのです。傷口から新たに感染する危険もあるため、避けるべきです。
3、「海辺の熱い砂を踏む」:やけどに注意
夏の海辺で足を熱い砂につけると、湿気が熱い砂に吸収されて足の汗が蒸発するので、ある程度の消臭効果が得られるかもしれません。
ただし、素足で熱い砂を長時間ふんで、足が低温やけどにならないよう注意しましょう。
4、「ホウ酸で足を洗う」:絶対禁止!
ネット上に「ホウ酸や白酢が水虫に効く」という情報があります。そのため、これらを水に溶かし、足を浸す人も少なくないと言われています。
しかし、これらの酸は必ず皮膚に炎症を起こします。
水虫で、すでに糜爛(びらん)や水ぶくれができている患者は、足にすでに無数の傷口があるのです。その足を酸に浸せば、傷を悪化させることは確実なので、絶対に避けるべきです。
5、「制汗剤を塗る」:効果がない
脇の下に使う制汗剤やデオドラントを、足の消臭に使っている人もいます。
しかしこの方法は、足の臭いを消す効果はありません。
制汗剤のアルミニウムイオンは、塗布した体の毛穴に「詰まり」を起こすことで、汗が出るのを抑制するものです。
制汗剤を正しく使うには、シャワーを浴びて清潔にした後で、皮膚が乾いてから、脇の下など特定の箇所に塗布します。ただし、足は制汗剤の使用部位ではありません。
安全で、効果的な消臭方法は
足の臭いがひどい場合は(代謝の異常など)足だけの原因ではない場合もあるので、やはり皮膚科の専門医に診てもらうのが良いでしょう。
そのほか、日常生活において自分でできるケアもありますので、以下のようなことに注意して、足の臭いの改善をはかってみてください。
1、足の清潔を保ち、乾燥させる
足の臭いを改善するには、足を清潔にして乾燥させることが基本です。湿度が高い環境ほど、細菌やカビが繁殖しやすいからです。
1日の生活の中で、こまめに足を洗い、よく乾かしてください。
2、靴と靴下をこまめに交換する
1日中靴を履いている人は、昼に靴下を替えることをお勧めします。靴も、2足を交互に履くようにします。毎日同じ靴を使用するのは避けましょう。
靴下の素材も、汗を吸いやすい適切なものを選んでください。通気性が良く、汗を発散できる靴下や靴を選ぶことは、足の臭いの改善に効果的です。
3、水分補給は十分に
夏場はとくに水分補給を心がけてください。ただし、甘い飲料や甘い食物は少なめに。
水分を補給することで新陳代謝が促進され、足をふくむ体の臭いを代謝作用で発散することができます。甘いものは、なるべく控えましょう。甘いものを食べすぎると、体や足から乳酸発酵のような臭いが出てきます。
(翻訳編集・鳥飼聡)