4月12日、米政府は、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対する追加制裁を発表した。写真は米財務省。ワシントンで2020年8月撮影(2023年 ロイター/Andrew Kelly)
 4月12日、米政府は、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対する追加制裁を発表した。写真は米財務省。ワシントンで2020年8月撮影(2023年 ロイター/Andrew Kelly)

米、対ロ追加制裁 原子力関連や中国企業など120超の団体・個人

[ワシントン 12日 ロイター] – 米政府は12日、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対する追加制裁を発表した。民間軍事会社や国営原子力企業ロスアトムの関連企業、中国拠点の企業など120を超える団体・個人が対象となった。

国務省によると、制裁逃れに関与した団体・個人も含まれており、対象は20カ国・地域以上に及んだ。英国と協調する形で、国務・財務両省が発動した。

財務省はこれとは別に、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)、中国を含む世界各地でロシアを金融面で支援したり制裁逃れを図った個人・企業に制裁を科したと発表した。

国務省の制裁は、ロシアの富豪実業家アリシェル・ウスマノフ氏の企業やその関連会社が対象となった。同氏は既に制裁リストに入っていた。

また、ロシアのショイグ国防相と関係があるとされる民間軍事会社パトリオット、別の民間軍事会社ワグネルの関連企業にウクライナ国内の衛星画像を提供したとされる中国拠点の企業も指定した。

ロスアトムについてはエネルギー輸出を使って顧客に政治・経済的圧力をかけているとして、関連会社5社と個人1人が制裁対象となった。

米政府はまた、ハンガリーの首都ブダペストを拠点とするロシア系国際投資銀行(IIB)の現旧の幹部3人に制裁を科した。

米商務省も別途、ロシアの軍事・防衛産業を支援しているとして、中国やトルコなどの企業28社を輸出禁止対象の「エンティティー・リスト」に追加した。

このうち中国の5社やロシア、トルコの各2社は輸出規制の回避を試みた、あるいはロシア軍を支援する目的で米国製品の取得を探ったとした。この他、イランからロシアへの無人機の移動を支援した企業なども指定した。

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