イラン、弾道ミサイル試射に成功 射程2000キロ 米仏は懸念表明
[ドバイ/ワシントン/パリ 25日 ロイター] – イラン国営メディアは25日、射程距離2000キロメートルの新型弾道ミサイルの発射実験に成功したと報じた。イスラエルと米国の基地が射程内に収まるとしている。
国営イラン通信(IRNA)によると、このミサイルは液体燃料型で、イスラム教の初期にイスラム戦士が制圧したユダヤ人の城にちなんで「ハイバル」と名付けられた。
国営テレビによると、同ミサイルは1500キログラムの弾頭の搭載が可能な弾道ミサイル「ホラムシャハル4」の改良型。国営テレビは新型ミサイルの発射とする数秒間の映像を放映した。
イランは「防衛的」ミサイル計画をさらに発展させると表明。アシュティアーニ国防相は「敵対国に対するメッセージはイランは自国とその成果を守るということだ。友好国に対してはイランは地域の安定に貢献するというメッセージを発する」と述べた。
イスラエル軍の報道官は、軍はこうした事案についてコメントしないとしている。
米国務省のミラー報道官は、イランによる弾道ミサイル開発は地域および国際安全保障に深刻な脅威をもたらすという認識を示した。
フランスは、2015年のイラン核合意に関する国際連合安全保障理事会決議第2231号に違反したと非難。仏外務省の報道官は「イランの核開発計画がエスカレートし続ける状況において、こうした活動は一層憂慮すべき」と語った。
ただ西側諸国の当局者は、イランの弾道ミサイル発射実験は安保理決議2231号に違反しているものの、イランと米英独仏中ロシアが15年に締結した核合意には違反していないという見方を示している。
仏外務省の報道官は、イランの活動が深刻な核拡散リスクをもたらするとし、イランが国際的な義務を尊重し、約10日後に開催される国際原子力機関(IAEA)総会までに具体的かつ目に見える進展を期待するとした。