トロント在住の法輪功学習者ミシェル・チャンさん(2023年4月19日、写真撮影)。チャンさんとその家族は、中国共産党による長年の迫害を経験している。(大紀元)
トロント在住の法輪功学習者ミシェル・チャンさん(2023年4月19日、写真撮影)。チャンさんとその家族は、中国共産党による長年の迫害を経験している。(大紀元)

22年にわたる中共からの「脅迫」「嫌がらせ」 宗教迫害がカナダにまで

中国系カナダ人が、過去22年間、自分と自分の家族がカナダで中国政権の継続的な脅威と嫌がらせに耐えてきたと証言した。

10月25日(現地時間)カナダのオタワで開かれた記者会見に出席した中国系カナダ人のミシェル・チャンさんは、22年前の2001年以来、中国共産党(中共)の標的にされてきたと述べた。

法輪功を修煉するカナダ市民を狙った中国共産党の干渉をテーマに開催されたこの日の記者会見で、張さんは「2001年、バンクーバーに住んでいた当時、中共が法輪功修煉者を弾圧することを公然と批判した後、標的にされた」と明らかにした。

張さんは「アパートの建物の外に駐車していた車の窓ガラスが夜中に割れた。バルコニーには誰かが大量の排泄物を捨てていった」とし「私は個人的な恨みもなく、当時、アパートに引っ越してきたばかりだったので、私の住む場所を知っている知人は少数だった」と話した。

家族への脅威

2008年にトロントに移住した後、さらに彼女にとって怖い出来事が起こった。

ある日、外出することになったチャンさんは、友人に4歳の息子と7歳の娘の世話を頼んだ。

チャンさんによると、外出している間に、銃を持った中国人男性がチャンさんの家にやって来た。その 男性は、チャンさんの友人にチャンさんの子供2人を引き渡すよう要求したが、子供たちは、男性が去るまで家の中のクローゼットに隠れて辛うじて危機を乗り切った。

会見でチャンさんは「子供が通っていた学校の他の中国人保護者と中国共産党の人権問題について話した後、すぐに中国人数人が遠くから私を監視していることに気づいた」と語った。このような監視は継続的に行われたという。

同様に、中国にいるチャンさんの家族も、法輪功を修煉しているという理由で苦痛を受けた。チャンさんの義理の弟は拷問の末、2千年11月に中国の労働収容所で死亡した。チャンさんの妹は逮捕された後、警察署から辛うじて脱出したが、2001年に行方不明となり、現在まで生死が分からない状態である。

横行する干渉

実際にチャンさんとチャンさんの家族が経験したような事例はカナダ法輪大法学会の報告書に複数記録されており、それらの報告書には「カナダの法輪功学習者が中国共産党工作員による超国家的な監視、身体的暴行、脅迫、嫌がらせ、社会的排除を受けている」という内容が含まれている。

さらに報告書は、中国共産党がカナダの一般大衆全体に目標を拡大し、悪影響を及ぼす対外影響力作戦を展開していると指摘している。中国共産党の目標には、カナダの一般市民はもちろん、カナダの政治家、カナダ社会、カナダの政治界など、他の多くの側面が含まれる

報告書は特に「中国政権は、中国の中国移民の中のナラティブを操作し、反対意見を抑圧することで世界的に影響力を拡大している。またかなりのリソースを活用し、様々な華僑団体を動員して、法輪功学習者やその他の反体制的な声を抑圧し、中共のシナリオに合致するようにする」という内容を強調した。

これに関連して、張さんはカナダ政府に対し「中国共産党の干渉にもっと注意を払うべきだ」と促した。そうしないと、中共がより多くのカナダ市民に脅威を与える可能性があるという懸念からだ。

行動を求める

同日の記者会見で、カナダ法輪大法学会のグレイス・ウレンサック代表は、カナダ政府は中国共産党の対外干渉からカナダ市民を積極的に保護すべきだと繰り返し強調した。

カナダ法輪大法学会は、中国共産党の対外干渉と超国家的弾圧に対抗するための勧告を提案した。これには、カナダ国内への浸透と弾圧活動に関与したことが判明した中国外交官と公館員を制裁し、外交的責任を問うようカナダ政府に要請する議案が含まれている。

ウレンサック代表は、カナダをはじめ、世界中のすべての中国公館には、いわゆる「法輪功部門」があると指摘した。

この部署は、駐在国の市民活動から法輪功学習者を排除するよう、駐在国の政府や機関に圧力をかける活動を行う。また、中国人移民、留学生、企業などを動員し、駐在国の公務員選挙に影響を与え、法輪功を支持しないようにする。

ウレンサック代表は「中国共産党が法輪功の迫害をカナダに拡大することは、法輪功コミュニティーの安全を脅かすだけでなく、カナダ社会の根本的な運営体制と価値を弱体化させる」と説明した。

その上で「カナダは中国共産党の浸透に断固として対応しなければならない。そしてこれを最優先課題としなければならない」と呼びかけた。

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