欧州議会とEU加盟国、重要鉱物域外依存引き下げの枠組みで合意
Foo Yun Chee Philip Blenkinsop
[ブリュッセル 13日 ロイター] – 欧州連合(EU)欧州議会と加盟各国は13日、欧州委員会が3月に提案した「重要原材料法案」について幾つかの修正を加えた内容で合意に達した。これにより来年早々に同法案が法制化される道筋が整った。
この法案は、クリーン技術製品分野でEUが米国や中国と競争していく上で戦略的な柱になると位置づけられている。特に中国からの重要鉱物調達依存度を引き下げる狙いがある。
欧州委の当初案は、2030年までに重要な鉱物資源の域内での年間消費量の少なくとも40%を加工し、10%を採掘、15%をリサイクルすることを目標に設定。第三国への依存度を65%に以下に抑えることを目指す。
このうち今回の合意では、リサイクル比率の目標は少なくとも25%に引き上げられた。またリサイクル目標を、年間消費量でなく年間の廃棄物収集量と連動して定める法案を欧州委が2027年に提示することも決まった。
さらにリチウム、ニッケル、コバルト、銅、マグネシウム、チタニウムなどの戦略的に重要な鉱物のリストにアルミニウムと人造黒鉛が追加される。人造黒鉛が入ったのは、中国が黒鉛輸出規制を強化する方針を打ち出したことに関係している。
欧州委のブルトン委員(域内市場)は、何も行動しなければ欧州は重要鉱物の不足や望ましくない外国への依存に直面しかねず、この法案成立で高い環境・社会基準も確立されると強調した。
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