ロシア大統領府のペスコフ報道官は24日、北大西洋条約機構(NATO)がロシアに対抗するため、加盟国内で部隊を自由に移動できる欧州連合(EU)の「シェンゲン協定」のような体制を望んでおり、緊張をあおっているとの認識を示した。NATO本部で2018年撮影。(2023年 ロイター/Yves Herman)
ロシア大統領府のペスコフ報道官は24日、北大西洋条約機構(NATO)がロシアに対抗するため、加盟国内で部隊を自由に移動できる欧州連合(EU)の「シェンゲン協定」のような体制を望んでおり、緊張をあおっているとの認識を示した。NATO本部で2018年撮影。(2023年 ロイター/Yves Herman)

NATOの「軍事シェンゲン」構想、緊張あおる=ロシア大統領府

[モスクワ 24日 ロイター] – ロシア大統領府のペスコフ報道官は24日、北大西洋条約機構(NATO)がロシアに対抗するため、加盟国内で部隊を自由に移動できる欧州連合(EU)の「シェンゲン協定」のような体制を望んでおり、緊張をあおっているとの認識を示した。

NATOの統合支援司令部(JSEC)幹部は23日報じたロイターとのインタビューで、加盟国内で部隊を自由に移動できる体制が望ましいと指摘。欧州の官僚主義が部隊の移動を阻んでおり、ロシアとの紛争が起きた場合、大幅な遅れが生じる可能性があると指摘していた。

ペスコフ報道官は「軍事シェンゲン」構想が現実のものとなれば、ロシアは対応すると発言。「(NATOは)わが国を明確な敵対国だと考えている。これは欧州の緊張をあおることにほかならず、重大な結果を招く」と述べた。

関連記事
EUとアメリカの貿易交渉が進展。関税撤廃と引き換えにEUはアメリカ製品購入を増やす可能性。中国製品流入への警戒も強まる。
鉱物協定により、ワシントンとキエフが統治する投資ファンドが設立され、ウクライナにおけるすべての新たな天然資源プロジェクトを監督することになる。
アメリカとウクライナは4月30日、ウクライナのレアアースなど鉱物資源共同開発の協定に署名した。
ドイツの連邦検察庁は、中国共産党政府のために欧州議会の機密情報を不正に提供していたとして、元議員補佐官のドイツ国籍を持つ中国系男性をスパイ容疑で正式に起訴した。
スペインとポルトガルで28日、イベリア半島の広い範囲を襲う大規模な停電が発生した。停電は正午ごろから始まり、復旧作業が進められている。