台湾総統選、野党一本化決裂に中国で落胆の声
[北京/台北 27日 ロイター] – 来年1月に行われる台湾総統選で野党の候補一本化が実現しなかったことを受けて、中国では対中強硬路線を敷く与党・民主進歩党(民進党)が政権を維持するのではないかとの懸念が強まっている。
最大野党の国民党と野党第2党の台湾民衆党は候補一本化を巡る協議が決裂し、個別に立候補者を届け出た。世論調査でリードする民進党候補の頼清徳副総統にとって追い風となった。
中国で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室は24日遅く、短い声明を発表し、総統選が平和と安定の維持に寄与することを望むと表明。台湾は「戦争か平和かの選択」に直面していると改めて主張した。
中国国内のソーシャルメディアでは、野党の一本化決裂に落胆する声が相次いでいる。
中国のシンクタンク、CICGアジア太平洋の戦略研究ディレクターであるZhang Xuesong氏は「(野党の協議決裂は)台湾海峡両岸の平和にとっての損失だ」と微博(ウェイボー)に投稿。「非常に悔しい一日だった」と述べた。
別の微博ユーザーも「協議決裂のニュースを見た。希望を失った」と投稿している。
民進党の頼氏は26日夜の選挙集会で、台湾が中国の一部であることを認めれば主権を失うと発言。「主権がなければ、土地や家の所有権も失う」と訴えた。
国民党の侯友宜候補は支持者に対し、頼氏に投票すれば戦争に賛成票を投じることになると主張。平和を実現できるのは自分だけだと訴えた。
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