23年10月、四川省成都で国際大会を警備する警備員たち(Photo by HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)
23年10月、四川省成都で国際大会を警備する警備員たち(Photo by HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)

米、先端半導体技術の違法輸出共謀で中国人2人を起訴

米司法省は、中国の製造業者に先端半導体技術の違法な輸出を共謀した中国人2人を起訴したと発表。

被告はリン・チェン(44歳)とハン・リー(別名リー・ハン・アンソン、64歳)で、いずれも中華人民共和国(通称中国)出身。チェン容疑者は今月シカゴで逮捕され、拘束されている。司法省によると、リー容疑者は中国にいるとみられている。

2015年から2018年の間に、チェンとリー容疑者は仲介業者を通じて、輸出ライセンス管理の対象となる機器を購入し、中国の成都嘉石科技有限公司(以下、成都嘉石)に出荷する計画を立てたとされる。

起訴状によれば、2人には禁固20年、罰金100万ドルが科される可能性がある。

成都嘉石は2014年以来、米商務省の規制対象企業リストに掲載されている。このリストに掲載された企業への販売は、中国企業が先端チップ技術を入手することを防ぐために設計された連邦法の下で、厳格なライセンス、開示、輸出管理の対象となる。

成都嘉石が米国の技術の禁止された販売の受領者であることが発覚したのは今回が初めてではない。2021年には、軍事用途の高出力シリコンチップに使用される「モノリシック・マイクロウェーブ・インテグレーテッド・サーキット(MMIC) 」を不正に輸出したとして、台湾の電気技師・石宇奇が、連邦刑務所で5年3か月の刑を宣告された。

起訴状によると、チェンとリーが輸出しようとした機器は、サンタローザのダイナテックス・インターナショナル社が販売する「DTX-150自動ダイヤモンド・スクライバー・ブレーカー」と説明されている。米当局によると、この機械は薄い半導体、つまりシリコンウェハーを切断するのに使用される。

ダイナテックス社は1958年に設立され、シリコンチップを作成する工程で使用される機器を設計・販売している。

FBIのロバート・トリップ特別捜査官は「米国の技術を中国に違法に輸出することを阻止することは、FBIの最優先事項の一つである。我々は、国家の安全保障と経済的安全保障を守るために設計された輸出管理法に違反する者を積極的に追及する」と述べた。

関連記事
ホワイトハウス元高官は、米中貿易戦争は、他国がどう思おうと、ほぼ間違いなく「勝者と敗者がはっきりするゼロサムゲーム」になる運命だと指摘している。
ベッセント米財務長官は15日、中国が保有する米国債を利用してアメリカ経済に打撃を与えるリスクはないと明言し、中国による米国債の「武器化」を巡る懸念を一蹴した。
トランプ政権は関税交渉を通じ、各国に中国との取引制限を要求。中国経済の孤立化を狙い、米中対立が激化している。
トランプ大統領がSNSで対日関税交渉への出席を表明した。これまでの交渉は閣僚や実務担当者が担うのが通例であったが、今回は大統領本人が前面に立つ異例の構図となっている。
著名投資家ビル・アックマン氏が新たな関税に一時停止を求める中、銀行家で億万長者のアンディ・ビール氏は、トランプ前大統領による強硬な関税政策を「唯一の道」と支持した。