【独占掲載】草庵居士が講演、中国の株式市場の内幕を暴露

2005/03/19
更新: 2005/03/19

【大紀元2月18日】アメリカのサンディエゴで開かれた第2回『共産党についての九つの論評』研究討論会にて、草庵居士のすばらしい講演がセンセーションを巻き起こした。氏は講演の中で次のように述べた。「証券会社が破綻するとき、それは中国政府が発行している国債の資金チェーンが切れてしまうことを意味し、そうなれば、同時に、証券会社の多くの投資基金も中国の銀行が株式市場に投入している大量の資金も取り出せなくなってしまう。そのとき、もし人々が銀行に取り付けをしようとしたなら、銀行のシステム全体が崩壊してしまうであろう。」

草庵居士は講演の中で、ほとんど人々に知られていない中国経済内幕を数多く暴露した。中国共産党は平穏を装うために、経済のブラックホールを覆い隠し、「株価が下がらないことを保証し、下がった場合は弁償する」といった条件を平気で持ち出して、海外の金融機関に、中国の国有企業が海外で上場し資金調達することができるよう、協力を要請した。

以下は、草庵居士の中国経済の内幕に関する講演である。

草庵居士:自分自身のことをあまり話さない。中国の高官を父親に持ち、若いときからアメリカに留学。政治経済評論家として、ネットで中国の政治経済についてよく文章を書いている。彼の評論は中国国内で影響力があり、中国がWTO加盟した時、彼は『WTO加盟によって中国共産党が2010年崩壊する』という評論を出し、中国国内で、大きな波乱を呼んだ。
現在、Pan American Investment Group 副会長。

みなさん、こんにちは。こちらへ講演に来るのは2回目です。今日は、まず皆さんにある出来事を紹介しましょう。数日前、黒龍江省にある中国銀行の某支店の高山という支店長が、10億元を騙し取って国外に逃げました。それで、最近国内の人々は、「今国内で金を騙し取る場合、百万、千万や一億ではなく、すでに10億以上にまで跳ね上がった」と話しています。

この事件が起こったころ、保定市のある「航空証券」では数人が集団で金を持ち逃げしました。いくら持ち逃げしたのか?今分かっているだけで2億です。多ければ6億に達するとも言われており、まだ捜査が終わっていません。このほか、ある会社の張晨という男も金を持ち逃げしました。いくら持ち逃げしたのか?10数億持ち逃げしました。この事件の被害を受けた上場企業4社は現在、何とかして穴埋めをしようとしています。

これらの事件発生後、中国人民銀行と中国銀行業監督管理委員会が『6項目の緊急通知』を出しました。その中の一つを皆さんにご紹介しましょう。その中の一つは、『6項目の緊急通知』の公布後は、全国の各銀行は、犯罪分子が銀行に入って働くのをすぐさま制止しなければならないというものです。この通知を見て私は、この通知が発せられる前は禁止されていなかったのだろうかと考えました。つまり、犯罪分子が銀行に入って仕事をすることを許していたということです。これはおもしろいことです。

GDPの数値は詐欺

前回、私は皆さんに中国のGDP問題についてお話しました。中国の統計局がGDP増加率は9.5%だと発表しましたが、ある人の統計によると、全国の各省と直轄市が自ら発表したGDP増加率の平均は最低でも13%前後でした。両者の間には随分と大きな開きがあります。この件は、私が言うまでもなく、国内のある記者が尋ねたことがあります。尋ねた相手は山東省の主管役人杜昌祚氏です。

この件は、すでに中国のテレビで放送されましたので、皆さんも資料を探して確認し、恥知らずとはどういうことかを知ってください。山東省のある記者が主管役人に、「われわれ山東省が発表したGDPは、中央が発表したものとどうして違うのですか?」と尋ねたところ、この役人の答えがおもしろいのです。彼は次のように答えました。「山東省のこの数字は水増ししていないばかりか、少し余裕を持たせています。現在、国家統計局は、各省と直轄市のGDPの計算に対して連帯審査制度を実行しており、それぞれの地域が勝手にGDPの数値を発表してはならないのです。

山東省の数字は、1月20日に国家統計局が連帯審査の結果フィードバックした数字です。工業の増加値に関し、国家統計局が山東省にフィードバックした数字は1487億元でしたが、山東省は今回1301億元しか使っておらず、186億元少なかったのです。もし国家統計局のフィードバックした数字の通りに計算したなら、GDPは15600億元余りに達していたでしょう。われわれの数字には保留分が含まれています。」記者が、「保留とはどういうことですか?」と尋ねると、省長(主管役人)は「保留とはつまりわれわれは謙虚だということです。われわれは本当の状況を言ってはならないのです。」と答えました。よく、中国のGDP資料は事実ではないと説明されるのはこのためです。

15000億と13600億の間には10%以上の差があります。中国の法律では、このような隠し立ては詐欺に当たるのかどうか知りませんが、ひょっとして彼らを訴えるべきではないでしょうか?少なくとも、中央の財政部の財政税収上は隠蔽詐欺です。しかし、彼らは「保留」だと説明しています。ですから、現在中国の経済界にまた、「保留数値」という新たな用語が生まれました。皆さん、今後「保留数値」という語を見かけたら、少し注意して見てみて下さい。

全ての証券会社が欠損を出し、個人投資家のお金が流用された

国内の株式市場もおもしろいです。2001年当時、株価指数は2200ポイントでした。そのとき、私は国内の友人に、この相場は5年もしないうちに800ポイントまで落ちるだろうと言いました。すると、彼らは当時、「お前、おかしいんじゃないか?国内へ来ておれたちにこんなことを言うなんて、一体何がしたいんだ?ひょっとして、お前はアメリカのスパイで、中国の経済秩序をかき乱しにやってきたんじゃないのか?」と言いました。

なぜこうなるのか、簡単なことです。アメリカの株式市場には「株価純資産倍率(PBR)」という指標があります。皆さんご存知のように、株券というのは、その純資産が1元の場合、それを上場するとき1元で売ってくれるはずがありません。おそらく、1.5元か2元で買うことになります。つまり、市場価格と純資産の間には「PBR」というのがあるのです。これは銀行業界の用語です。アメリカ、ヨーロッパならびに全世界のPBRはおよそ1.4です。つまり、1.4元出せば株式市場で1元の純資産を買うことができ、株式市場に売り買いをする余地を与えているということです。

そこで、中国のPBRがどれくらいか皆さんご存知ですか?中国は3.42です。1元の物が個人投資家の庶民に売られるときには3.42元になっているということです。考えてみてください。もし、年利益率が10%だとしたら、元本を回収するのに何年かかるでしょうか?20年もかかるのです。

株式市場が健全でなくなるたびに、中央政府はアナウンス効果を利用して魅力的なニュースを出してきます。去年も多くの魅力的なニュースが出されました。その中の一つが「国務院から発表された9つの意見」です。「国務院から発表された9つの意見」とは、株式市場を支援するための9項目の規定です。ところが、結果的には、それが発表されると、株価指数は200ポイントも暴落しました。

政府は、これほど下がってはまずいと思いました。すでに1370ポイント余りにまで下がっていたのです。当時、1370ポイントは心理的な最低ラインでした。なぜ、1370ポイントが心理的な最低ラインなのか?中国の株式市場では、これまでの最低指数が700ポイントでした。現在の株券はすでに規模が拡大していますので、今の1370ポイントが以前の700ポイントに相当します。この最低ラインを切ることはできません。切ってしまえば、株式市場は終わりです。ですから、政府は慌てて、「銀行基金の株式市場参入」という規定を打ち出しました。

皆さんご存知のように、銀行のお金は、それで勝手に株を買ってはいけません。庶民が銀行にお金を預けるのは保険のためなのに、株を買ったらリスクが生まれます。それにもかかわらず、政府は、我が国の銀行基金は株式市場に参入できると言うのです。銀行基金が株式市場に参入すると、株価指数がまた下がり、1370ポイントを割ってしまいました。すると、今年になって、また「収入印紙税引き下げ」を打ち出しました。取引税が引き下げられたのです。すると次の日、70%の株券が下がり、1200ポイントを割りました。こんなふうにして何度も下がり、2200ポイント余りだった相場が1100ポイント余りにまで下がりました。以前の600ポイントに相当します。どういうことになったかというと、中国の個人投資家が投入した資金の50%以上がすでに損失したということです。

もちろん、資料を見ればもっとよくわかります。ここに資料を用意しましたので皆さんにご紹介しましょう。中国では、2001年から2004年にかけて、A株の上場企業数は1100社から1377社に増え、株式資本総額も3800億株から7100億株に増加し、総株数が倍になりました。ところが、価値はどれだけ上ったのでしょうか?総市場価格は48500億から39000億に下がりました。つまり、上場された株数は倍になったのに、価値は25%下がったということです。

場企業だけではありません。証券会社も2004年には全て欠損を出しています。平均2908万の欠損です。証券会社1社当たりの資産は900万なのに、2900万もの欠損を出したのです。それでは、その2000万はどこから出したのでしょうか?全て個人投資家のお金を流用したのです。ですから、国内の個人投資家が私に言いました。「私たちは毎日電話したりネットを見たりして、自分のお金がまだあるかどうか確認しなければなりません。どうしてか?ある日、私たちは、自分のお金が午前中はまだそこにあったのに、午後見てみるとなくなっているのに気がつきました。もともと10万あったのに、なんで2万しか残っていないんだろう?」実は、これらのお金は証券会社が流用したのです。電話をかけて訴えると、証券会社は初めて元に戻すのです。技術的な問題が起きただけなので、すぐに元に戻すと言うのです。もしも問い合わせなければ、あなたのお金はおそらく半月は流用されるでしょう。証券会社に技術的な問題が起きたとき、個人投資家に余計にお金が移ったなどということを聞いたことがありません。問題が起きて損をするのはいつも庶民です。

現在、中国の株式市場がこれほどまで下がり、多くの証券会社が倒産しました。「遼寧証券」や「南方証券」などが倒産し、しかも欠損は数十億です。10億とか20億ではなく、40億、90億、100億で、最近の大鵬証券の損失は44億元にも達しました。中央政府はそれらを救わなければなりません。救わないわけにはいきません。どうするか?われわれ中国もアメリカの「先進的な経験」を学ばなければなりません。投資20万以下の人には全額補償し、20万以上の人には運が悪かったとあきらめてもらう。500万投資してもせいぜい20万しか補償してもらえないということです。こういった先進的な経験は学びましたが、庶民の利益を保護するための司法上の先進的な経験はどうして学ばないのでしょうか?損をしたとき、自分に役に立つことはまねをし、自分の利益にならないことは学ぼうとしません。

温家宝は焦っている

温家宝は総理として大変です。随分焦っていると思います。1月28日、彼は国内の多くの証券会社トップや専門家を集めて会合を開きました。私は勤務中に国内のある元司局長から電話をもらいました。彼が言うには、「草庵、私はボスと会うことになったよ。28日に北京で秘密の会合が持たれることになっており、温家宝が、株式市場をどうやって救ったらいいか、私たちに意見を求めるようだ。ここで救わなかったら、私たちの銀行も終わりだ。」というのです。

そこで、私はこう答えました。「救うと言っても、私にももはや手立てがない。私の意見をあなたたちは聞かないでしょう。まずは、株式市場のお金を持ってきて、社会保障基金に当て、皆に医療費と年金を保証する。それからインフレが起きたとしても、少なくとも貧乏人を飢え死にさせることはない。金持ちのお金を少しもらって皆に穴埋めをするということだ。」すると彼はこう言いました。「それはだめだ。あなたが言っているのは、社会保障基金と国有資産を私有化するというのに均しい。それに、金持ちの機嫌を損ねたら、誰が中共を救うんだ?われわれの政府は生き残る術がなくなってしまう。これは原則問題だ。」

温家宝のこの会合は確かに開かれました。会合の後、私は彼らに、「どれだけの意見を出したのか?」と尋ねたところ、20数個の案を出したと答えました。総理はそれを聞いて、「あなたたちの話を聞いていると、私は腹が立ってしかたがない。20数個もの案から私にどうやって選べというんだ?2、3個の案にできないのか?」と言いました。そこで、彼らが出した2、3個の案を見て、温家宝は、「このC株はまず止めよう。」と言ったそうです。

私もそのとき話を聞いて、「海外の株式市場には株は1種類しかなく、A株だの、B株、H株だの聞いたことがないのに、それにさらにC株が加わるとは。結局、どの株が中国の株式市場の株なんだ?」と言うと、彼はこう言いました。「総理が言うには、これ以上持ち出してはならない。これ以上人にお金をやってはならない。この国有株の70%を持ち出し、今この30%の株もすでに1100ポイントにまで下がっているのだから、今さらにC株の70%を持ち出したりしたら、終わりじゃないか、と。」

現在までのところ、私の知る限り、温家宝氏はとても焦っています。しかし、彼にも方法がなく、どうしていいかわかりません。彼は会合の席でこんなことを言いました。「皆に言っておくが、中央にはお金がないので、救いようがない。皆は自分でなんとか方法を考えなければならない。」そのため、株価はどんどん下がり、下がるが一方なのです。

1000ポイントを割れば、壊滅的な打撃を受けるであろう

株価が下がれば、焦る人もいれば焦らない人もいます。皆さんにある中央の役人の話を一つご紹介しましょう。この指導者は、地位はそれほど高くありませんが、とても重要な人物です。中国人民銀行の投資管理部の責任者で、張鴻翼(音)と言います。彼が言うには、「もし相場が1000ポイントを割れば、証券会社と基金は完全に終わりだ。彼らの資金チェーンは切れてしまうし、そうなると、銀行の資金も切れてしまう。これは、直接銀行体系の存続を脅かすことになり、国民経済体系全体に系統的な金融リスクが現れることになる。中国の現在の株式市場の状況では、証券会社と投資機構の破綻を招きかねず、その種の破綻が中国経済に与える打撃は壊滅的なものである。」

おそらく皆さんご存知だと思いますが、中国の株式市場は次のような状況になっています。中国の証券会社のお金は全て銀行から来ています。銀行から借りているのです。また、中国が発行している国債は証券会社を通じて売られています。ただ、売るとは言っても、庶民に買わせるのではなく、証券会社に買い取り販売させるのです。証券会社が売ってしまえないことがあり、その場合は、国債は何度も額面価格以下に下がってしまいますが、それでもまだ売ってしまえない場合は、証券会社は大きな損失を負うことになります。そこでどうするかというと、証券会社はこれらの国債をあれこれ操作するのです。証券会社が使うお金は、個人投資家のお金です。証券会社が倒産するということは、中国政府が発行する国債の資金チェーンが切れるということを意味し、同時に、証券会社のさらに多くの投資基金と中国の銀行が株式市場に投入している大量の資金も取り出せなくなるということです。このとき、もし人々が銀行に取り付けをしようとしたなら、銀行のシステム全体が崩壊してしまうでしょう。

こういった状況は非常に危険です。ではどうするか?中国政府には方法は一つしかありませでした。紙幣を増発したのです。ただ、こうすれば、悪性のインフレを招きかねません。前回皆さんにお話したように、中国の去年のGDPは12兆元でしたが、4兆元分の人民幣が増発されました。ですから、皆さんご存知の通り、全ての製品の価格が上りました。こういった状況の下、中国経済のリスクは非常に大きいのです。

現在の中国の個人投資家の状況を説明する統計資料もあります。中国にはかつて7000万の個人投資家がいましたが、現在4000万しか残っていません。半数近い個人投資家がいなくなったのです。たとえ4000万としても、個人投資家が平均して3人家族だとすれば、1億人余りに関わってきます。この残った4000万の中の90%は欠損を出しています。この90%の平均欠損率は50%です。つまり、100元投入して現在すでに50元損しているということです。一方、得している10%の個人投資家は皆、4年前に投資した人たちで、平均利益率は3.2%です。

中国の庶民が中国の株式市場に投入した資金総額は24500億元に達します。これらのお金はどこへ行ったのでしょうか?購入申請の主力資金収益6000億余り、国の収入印紙税収益2100億余り、証券会社の手数料として2100億余り、大口投資家と機構への利益2000億余り、内部の職工株、転配株、遺留問題等による利益2800億余り、市価による新株の超過額購入による収益1000億余り、そして、上場企業が8500億余り持って行き、個人投資家への配当はわずかに600億余りにすぎません。つまり、数千万の個人投資家が24500億元を出して、2025億株の「株権を分けて購入する」流通株を買ったのに、これらの株に対応する上場企業の帳面上の純資産は4500億余りにしかすぎないということです。なんと悲しいことではないですか。中国の株式市場はこういった状況であり、株式市場のこの危険性が金融体系全体の危険を引き起こしうるのです。

真に相場を操っているのは、実は中共政府である

株式市場のこの種の価格は、個人投資家あるいは一部の投資機構が売り買いをし、相場を操ることによるのだと言う人がいます。アメリカにも相場を操る人がいますが、それは個人の投資機構です。しかし、中国では真に相場を操っているのは中共政府です。株を市場に公開するには2つの段階があります。一つの段階は仲介人です。たとえば、ある会社が私のところへ来て株を上場したいと言った場合、私はその会社に10%の手数料を要求します。そして1元の物を2.5元で売ってやるのです。中国ではこうです。ただ、アメリカではこれではだめです。証券会社は市場がこの2.5元という価格を受け入れられるかどうか考えます。アメリカの市場が受け入れられる幅はせいぜい1.5倍であり、2.5倍で売るように言われても売れません。ところが、中国政府は2.5倍で売るように規定しているのです。ですから、この資金は、私の手を通った段階で、1元の物が2.5元に変わるということです。そして、個人投資家が買うときには、この価格が2.5~3.4元の間に変わってしまいます。このうち70%のバブルと株価純資産倍率は政府が操作し、政府がお金を取ってしまいます。個人投資家が売り買いできる余地は30%にも満たず、そのうちの70%の売り買いは中国政府が操っており、政府がそこから暴利を貪るのです。

中国政府が株券を発行する過程もおもしろいのです。アメリカでは、NasdaqにせよDow Jonesにせよ、上場する場合には規定があり、規定に合えば上場できます。ところが、中国では違います。中国が当初株式市場を設立したとき、国有資産の資金問題を解決するためであると、明確に謳っています。それ以来、上場できる会社数枠を割り振り、割り当て額制をとっています。中国の30余りの省は、各省に毎年2社の割り当てがあります。どこかの企業の経営状態がいいから上場を認めるというやり方ではないのです。例えば、陝西省に2社分の上場枠が与えられ、上海も同じく2社分です。そうしたとき、上海の企業は間違いなく陝西省の企業よりずっといいはずです。陝西省では乳牛場も上場されるかもしれません。どうしてか?そこは貧しくていい企業がないからです。ですから、人脈さえあれば、会社を登記するだけでで上場できるということです。

しかも、企業の良し悪しは問いませんし、報告表だとか公告だといったことも行いません。そんなものはありません。省長が見て、どこかの企業がお金に困っているとなると、そいつを上場させようといった具合です。朱熔基でさえそうなんです。私はかつて、国内のある企業に海外へ上場するように勧めたことがあるのですが、朱熔基は、その企業はうまくいっているのになんで上場なんかするのか、うまくいっていない企業を見つけて海外で上場させ、儲けさせてやったらいい、と言いました。中国の上場企業はこんなふうにしてできあがったのです。

後にどんなふうに変わったかというと、「審査制度」と呼ばれるものが始まりました。朱熔基は、当時各省がお金を手に入れるのを見て、省がお金を手に入れてもわれわれのほうに回してこないとなるとどうしたらいいか、と考えました。証券監督管理委員会という利益集団も悪いやつらで、審査制を行うことにし、割り当て制は止めると言い出しました。企業に証券監督管理委員会へ来させて、審査するというのです。そこで、彼らは審査グループを作りました。こうやって、上場しようとする企業は審査グループにお金を送るようになったのです。

中国で上場すれば、いとも簡単にお金を騙し取ることができるということを、みんな知っています。ですから、上場してお金を騙し取らない手があるでしょうか?工場で机や椅子を生産するのは骨が折れます。上場すればすぐにお金がやってくるのです。国内にこんな資料があります。審査制が始まって以降、ある企業が上場の準備を始めてから成功するまでに、だいたい1500万元かかります。何に使うのでしょうか?証券監督管理委員会に渡すのです。ですから、証券監督管理委員会で「王小石事件」なんかが起きました。審査制を行っているものだから、彼は審査員の名簿を売ったのです。たかだか名簿1つが25万元で売られました。上場すれば数億になるということを企業は知っています。ですから、25万元など微々たるものです。誰が審査をするか分かれば、その人に50万元送って上場を手伝ってもらいます。これは容易いことです。少しの投資ですぐに効果が現われるのですから、お金を騙し取るのにこれほどいい方法はありません。銀行強盗をしたり偽札を作ったりするより便利です。理論的には司法上のリスクもなく、騙す手段も優れており、こういうやり方は、中国の改革開放に貢献し、制度の刷新でもあり、改革開放の先鋒だということになります。

王小石事件の発生後、みんな、審査制には問題があるということが分かり、国内では「保証人制」と呼ばれるものに代わりました。現在、個人投資家が株を買わなくなったので、中央政府が新株を何度発行しても全て値段が下がっています。最近、「中央集団」が香港で上場したのですが、その状況を聞いたらびっくりすることでしょう。寄り付き後すぐにどんどん下がり、終値が0.285香港ドルで、取引ストップ前の0.475香港ドルに比べて40%も下がりました。上場の初日で暴落です。考えてみてください。中国の上場企業は、香港という管理が比較的整った場所でさえこうなのです。ましてや、国内の株券などを買う人は更にいません。

中国企業の海外上場には裏の事情がある

現在、アメリカの各機構と証券会社は、中国の4大国有銀行に、上場を手伝ってもいいが条件がある、と言っています。これらの企業がアメリカへ来て上場した際、「もしわれわれが損をしたら、中国政府はわれわれに弁償しなければならない」と言うのです。皆さん笑わないでください。おかしいと思うでしょう。でも、これは私が勝手に冗談で言っているのでもないし、中国政府を中傷しているのでもありません。先例があります。中国人寿保険がアメリカで50億ドルをかき集めてニューヨークで上場したのですが、上場のとき条件がありました。つまり、中国人寿保険は当時20億ドル余りの不良債権を抱えており、もしこれらの不良債権に問題が起きたら、中国政府は責任を持って弁償しなければならないというものです。中国政府はこれにサインし、相場が下がった時にはわが中国政府が弁償するということを保証したのです。

アメリカ人は、これはいいと思いました。株を買っても損をする心配がない、損をしても中国政府が弁償してくれるのです。ですから、中国人寿保険の株が下がると、皆は訴えました。ウォール街の人たちは、中国人寿保険が上場して中国政府

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