補償を求める農民2000人を暴力で鎮圧 四川省

2005/05/10
更新: 2005/05/10

【大紀元日本5月10日】四川自貢市の農民3万人余りが、政府の開発区建設のために、生活のための資源を失った。農民らは10年余りの間補償を訴えたが、受け入れられないどころか、公安により逮捕される者もいた。補償を求める農民ら2,000人余りが先日、地区人民代表大会の期間中に逮捕者の無罪の訴えを求めたが、数百人の警官に包囲・殴打され、多くが逮捕又は負傷した。

ニューヨークに本部がある「中国人権」の水曜日の発言によると、四川省自貢市政府が93年以来、紅旗郷、衛坪郷の農民の土地15,000ムーを占用し、匯東高新技術開発区を建設した。その際、各農民に対しては、わずかに8,000元(日本円約12万円)の引っ越し費用と、各人毎月54元~90元(日本円約700円~1200円)の生活費しか与えられなかった。すなわち、市政府は、2%の価値にも満たない土地譲渡費用を使い、3万人余りの農民をその生活基盤から追い出し、耕作によって生を繋いでいた農民の生活資源を奪い、また政府は彼らに適切な仕事を与えなかったのである。このため、当地の農民は、かつて「万人連署」をし、多方面で訴訟を行って公正を求めたが、その結果は、かえって痛ましい代償を伴うものであった。

「中国人権」によると、80人余りの農民が公安司法部門によって捕らえられ、拘留された者は20人を超え、暴行を受けて負傷した者が20人余り、うち傷が残った者は10人余りであった。さらに、一名の農民は生きる希望を失い、自殺した。紅旗郷のある事情通は、水曜日、記者に対して次のように伝えた。

事情通:かなり前から、一部の制度に不備がありました。

記者:毎月一人あたりの生活費が50元余り~90元ということでしょうか?また、彼らの引っ越し費用が8,000元だということでしょうか?

事情通:そのとおり。これは以前の話です。

記者:しかし、以前に土地を占有した人たちは、現在の農民に仕事を与えたのでしょうか?生活費の補償をしたのでしょうか?

事情通:ある人は仕事が与えられましたがすぐにレイオフされました。レイオフ後は、皆自分で仕事を探しました。私の知るところでは、彼らは長年に渡って北京へ直訴しに行き、強く訴えました。

「中国人権」によると、当地政府と関連する権利集団は、こうした土地収用を通じて一夜にして暴利を得た。数年前は自貢市郊外の農民であった劉偉林は、兄の劉佑林の前・市委書記であったため、開発区で権勢を誇る社長になっており、億元に上る財産を有する。

今年初めより、長期に渡って農民の訴えを抑え付けてきた自貢市の主要官僚の一部は持ち場を離れて昇官した。農民らは、新市長・王海林にいわれなき罪の実情を訴えるため、失地農民2,000人が、4月20日に当地で“両会”が開催されている時期に自貢市の人大広場で集会を行い、新市長に公正を訴えようとした。しかし、当局の派遣した警察によって妨害され、広場へ到着に成功したのは、劉正有ら100人余りの失地農民であった。彼らは横断幕、スローガンを掲げるとともに、大量の直訴用の資料と関連する報道資料を並べたが、700人余りの警察に阻止され、劉正有、陳守林、陳小玲、毛秀蘭、_deng_淑芬ら農民5人が殴打され、パトカーに乗せられた。

記者が、紅旗郷政府当直室に電話して状況を尋ねたが、役人の一人はこのことを認めなかった。

紅旗郷政府官僚:そんなことはありません!

しかし、衛坪郷の、ある失地農民は、記者に対してこの事件が確かにあったことを述べたが、記者に明かそうとはしなかった。

記者:衛坪郷の一部の農民が土地を失い、その後市政府に行って請願を行ったことをご存知ですか?

衛坪郷農民:私がまさにそうです。

記者:どんな状況でしたか?私に教えていただけませんか?

衛坪郷農民:知りません。今用事がありますので。

「中国人権」によると、劉正有、毛秀蘭の二人が警察に殴られて負傷し、入院治療が必要とのことであった。記者は、水曜日の午後に毛秀蘭が入院している恒博病院を尋ねてみた。

記者:毛秀蘭はいますか?探していただけませんか?彼女は外科入院している患者です。

病院職員:彼女は退院しました。

記者:いつ退院したのですか?

病院職員:2日前です。

記者:彼女の傷の具合は深刻なのでしょうか?

病院職員:あまり深刻ではありません。

「中国人権」によると、2004年6月、劉正有等4,000人余りの農民が胡錦濤、温家宝らの国家の指導者に集団で訴えを起こしたが、何の結果も得られなかった。「中国人権」は、中国政府が自貢市の農民、及び類似する社会問題を重視すべきであると強く呼びかけている。同時に、中国社会や国際社会がこの問題に関心を抱き、影響力を発揮して中国政府が同様の問題を公正に解決するよう促すことを呼びかけている。

(RFA記者・方媛)

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