中共暴政をニューヨーク・タイムズ紙が暴露

2005/05/15
更新: 2005/05/15

【大紀元日本5月15日報道】ニューヨーク・タイムズ紙、中国特派員ジム・ヤードリ(Jim Yardley)は5月9日、中国の強制労働制度について、人権弁護士、人権団体「中米対話」財団、強制労働収容所に監禁された経験のある法輪功学習者たちのインタビューを含め、中国強制労働組織の実態を報道した。

今回の報道は、中国国内の人権問題の論争を引き起こした欧州連盟の発表がきっかけであった。欧州連盟は中国に対し、今年の6月までに中国向け、武器禁輸の解禁はしないと発表した。中国政府が中国向け武器禁輸の解禁を実現する外交目標を果たしたいならば、まず中国国内の人権問題を大々的に改善する姿勢を示さなければならないと求められた。そして、人権提唱者たちは、中国で人権改善を示す最も有効かつ意義を持つ行動とは、強制労働制度の廃止又は、見直しであると主張した。

中国共産党が政権を握る期間中、中国の強制労働収容所は、過去にあった各運動において、罪のない人々を迫害する共犯であった。しかし、中国国内で強制労働制度の廃止を呼びかける人々は既に、中国が法治国家の道を正しく歩めない本当の原因とは、中共が暴政の道具である強制労働制度をあきらめないことが分かっている。ニューヨーク・タイムズ紙は、強制労働収容所がまさに中共が暴虐な政治を行う道具であることを示唆した。

インタビューを受けた法輪功学習者、今年40歳の李さんは弁護士も付けてもらえず、如何なる司法手続きも行われずに、山東第二強制労働収容所に2年間監禁された。監禁された他の法輪功学習者も同様だった。彼らは中国刑事法による保障も、基本的権利も全て剥奪されたという。

中国政府は日ごろ、中国人民に対して法治社会を作る約束をする。しかし、李さん曰く、中国では法律に拘束されない特別運営体制があるという。山東第二強制労働収容所は正にその運営体制の一環である。司法制度管轄外の特別運営体制は中国全国を網羅しているという。

報道では、中国のような非民主的国家では、人々を守る法律と権利が踏みにじられることは全く珍しいことではないという。しかし、毛沢東時代から作り出した強制労働制度は逆に、権利の保持と政権の安定に、必死に守ろうとする今の中国共産党にとっては、にっちもさっちもいかない、厄介なものになっているという。何故ならば、中国共産党はいつでも、国内外からの圧力と呼びかけを受ける可能性があり、強制労働制度の改革を要求される可能性があるからだ。

人権団体「中米対話」財団の執行委員、ジョン・カムさん(John Kamm)はインタビューに対して、当財団は常時に中国と話し合いの場を持ち、中国政府に対して政治犯の釈放を求めていると話した。さらに、「中国共産党に強制労働制度の改革を認めてもらうとは、まるで飛べない豚に空を飛べというのと同じように不可能なのだ」と話し、「中国の強制労働制度は、人権法律に関わるすべての正当な手続きを踏みにじっている。」と語った。

又、強制労働制度の改革を主張する北京の高智晟弁護士は、「政権を握っている者にとって、強制労働制度は非常に重要である」と話した。強制労働制度は、中国共産党が今までに権力の維持に使われてきた主な道具であり、強制労働制度を改革するとは、中国共産党に対して、権力維持の主要かつ、重要な道具を強制的に放棄させるのと同然だ。

報道では、中国の強制労働収容所は1957年に始まった。強制労働制度とは、警察は逮捕した人々を煩雑な裁判の手続き及びそれに費やす時間を省いて、直接に強制労働収容所へ送り込むことができることを意味する。しかし、評論家たちが、強制労働制度は警察に必要以上に自由を与えたという。警察は人に対して、任意に刑事的告発ができ、司法手続きなしに直接人を投獄させることができてしまうからなのだ。

高智晟弁護士はインタビューに対して、「警察は正常の司法手続きを踏み、幾千幾万の法輪功学習者を監禁しようとすることは、全く不可能である。何故なら、学習者たちのすべての行動は、全く犯罪になるものはないからだ」と話した。実際、中国政府が法輪功の弾圧を開始して数ヶ月後に始めて、法輪功に対して「反邪教法」を成立したのであった。

報道では、山東第二強制労働収容所と同様に、司法制度管轄外の特別運営体制に属する強制労働収容所は、中国に300余りがある。それぞれの環境及び条件は異なるが、監禁されるすべての人々は必ず生産労働、又は肉体労働をさせられる。法輪功学習者のほか、最近は汚職した又は、不法に人民の土地財産を略奪した中国政府官員を告訴する人々も監禁されているという。

法輪功学習者、李さんは2000年に拘置所で10日間拘留されてから、強制労働収容所へ移送された。家族は彼が収容所で服役開始後、監禁されたことを初めて知ったという。収容所では、学習者に対して、法輪功の修煉を放棄させるために警察は、棘状物のついた電気警棒で、日常に学習者をひどく殴打していた。李さんは「殴打された時の激痛はとても言葉では表せないのだ。とにかく、私の身体は激痛が走ったため、宙に飛び上がった」と話した。

インタビューされた二人の女性学習者が侮辱を受けた話をした。彼女たちは、生理のときも手足が手錠と足かせで固定されて、背中は板にくっ付くように、睡眠は許されず、トイレも行かしてもらえずに何日も立たされたという。

海外の法輪功の学習者たちは、積極的に中国国内で起きている迫害を暴露しようと、大規模な活動を行って来た。しかし、中国政府は迫害について、何度も否定した。現実、法輪功が中国国内で未だに禁止されていることは、否定できないのだ。

ニューヨーク・タイムズ紙は最後に、高智晟弁護士の言葉でしめくくりをつけた。「中国では、権力の分配と組み合わせの構築に巨大な変革がなければ、強制労働制度は何も変わらないのだ」。

(記者・周杉)

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