高級ブランドショップの中国撤退ムードが強まっている。昨年、5店舗を閉鎖したルイ・ヴィトンは2月28日、新たに山西省太原店の看板を下ろした。汚職撲滅キャンペーンや経済成長の鈍化などの影響で中国国内のブランド品の消費が伸び悩むなか、同社は今年中に中国で展開中の全31店舗の2割を閉店する予定だと報じられた。
中国の政府系メディアの報道によると、太原店は2009年1月のオープン時から5カ月連続で、毎月およそ1000万元(約1億7200万円)を売り上げ、中国国内の同規模の直営店舗の中で販売総額が第3位となるなどの販売実績を誇っていた。
中国国内のブランド品の消費がこの数年間で低迷した理由として、汚職撲滅キャンペーンや中国経済の失速だけでなく、中国人が国内の直営店舗よりも海外旅行や海外ネット通販サイトでの買い物をより好むようになったことが挙げられる。海外ではブランド品の実質販売価格が国内価格を下回るため、中国人旅行者の半数近くは海外旅行の際にブランド品を購入しているとされる。
こうしたなか、15年には高級ブランド企業が次々と中国での経営戦略を見直し、値下げや一部のショップの閉店といった対応策を講じるようになった。
統計によると、13年から15年にかけてバーバリーは4店舗、コーチは2店舗、エルメスは1店舗を閉鎖し、プラダは店舗数を49店舗から33店舗まで削減した。
(翻訳編集・桜井信一)
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