【大紀元日本7月22日】中国の軍部高官朱成虎少將の核攻撃の衝撃発言に、米下院は、20日修正案を通過し、中国政府に発言の撤回と朱成虎少將の免職を求める態度を示した。この修正案の発起人、共和党議員タンクレータ氏は「中国政府に、武力紛争ではなく平和方式で台湾問題を解決するとの保証を求めていくべきである」と述べた。
中共中央軍事委員会が直接指導する、軍国防大学外訓系主任・朱成虎少将は、14日、香港駐在の国際メディアに対し、米国が台湾海峡での武力紛争に介入した場合、中国側が核兵器の使用を辞さないと発言した。朱少将は「弱い勢力は、最大の努力で強い勢力の相手を打ち破るべきである」との持論を展開した上で、「従来型の戦争なら、我々は米国に勝つことができない」とも話した。「これはあくまでも個人の見解」とした上で、いったん米国が台湾海峡での武力紛争に介入した場合、「我々は、西安より東の都市が全部壊滅することを惜しまない。その代わり、米国も数百の都市が犠牲になる覚悟をしなければならない」と、中国の強硬姿勢を示唆した。
朱少将の発言に、国際社会は強烈に反発。英紙「デイリー・テレグラフ」7月16日社説・「北京凶徒」で、朱の発言は、1957年毛沢東の同内容の話を連想させると指摘した。毛氏は、核戦争で世界の半分の人口は壊滅するが、その代償に「帝国主義」も消え去るとしている。
米紙「アーカンソー・デモクラット・ガゼット」は、朱少将の発言は中国政府高層部の許可を得たはずで、アメリカの反応をみているのだと指摘した。同紙は、アメリカは西太平洋地区の安全に更なる注意を払うべきだと警戒を示した。
専門家らは「中国は自由に見解を述べる国柄ではない、軍部の高官に対する言論規制はもっと厳しいものである、核兵器使用問題で、今まで、中国政府は北朝鮮を利用して、国際社会を脅迫し続けてきたが、今回の朱成虎氏の発言は、決して個人的な見解ではなく、中国政府は仮面を外して、赤裸々な大胆行動に出たと受け止めるべきである」と分析した。
アメリカのクレーム研究所アジア研究センターの主任タンブ氏は、「朱成虎氏の核攻撃発言は、中国政府がアメリカに直言しにくい脅しを代弁しただけであり、中国政府による計画通りの行動で、新しい世界情勢に応対するための脅迫戦略である」と鋭く暴いた。
中国政府のメディア新華社通信に27年間勤務し、89年の「天安門大虐殺」の発生後、フランス国際ラジオ局中国語部門の主任を担当した呉葆璋氏は、「朱成虎氏の発言は、政変の予兆とも捉える」と警告した。
中国の有名な民主活動家・魏京生氏は「中国共産党は、目的達成のために手段を選ばないという卑劣な一面がある。いま中国社会には、各種の不安定要素が隠されており、政権を延命するために国民の注意を転換させ、結束力を強化する必要がある。中国政府は、対台湾戦争がこれらの目的を達成させる一番よい手段と考えている可能性がある。情報筋によると、今中国の軍事産業は大量の武器製造の注文を受けている。近く戦争が起こるとの噂も流れている」と暴露した。
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