前中国国家安全局警官:日本にもスパイを多数派遣

2005/07/31
更新: 2005/07/31

【大紀元日本7月31日】中国の海外スパイ事情に関する秘密文書を持ち出し、オーストラリアに逃げ出した前中国天津市国家安全局警官、元中共天津市公安局610オフィス職員・郝鳳軍氏(32)は7月17日、オーストラリアのテレビ局の特集番組『中国の赤い壁の裏(Behind Chinese Walls)』に出演し、米国、カナダ、オーストラリアのほか、日本も法輪功取締本部(通称610オフィス)の主要活動地域に指定されていると暴露した。郝鳳軍氏は先日、日本大紀元の電話インタビューに応じ、日本が中共と近い関係にあること、法輪功取締本部のスパイが日本全国で活動しているなどのことから、日本を亡命先として最初から考えていないと話した。

郝氏によると、2001年6月26日、天津で開かれた「全国秘密勢力3ヵ年計画」の会議で、日本も北米やヨーロッパと同様に、法輪功及び反体制派の主要監視国として指定されたと証言した。郝氏はオーストラリア地域を担当していたので、日本からの情報に関わっていなかったが、他の国より大量の情報が送られ、日本に多くのスパイが活動していると察したという。

さらに、反日デモについて意見を伺ったところ、郝氏は、日本の国連常任理事国入りを阻止するために、中国政府が裏で指図して行われたことだと明言した。郝氏によると、中国では関係部門の許可なしでは街に出て堂々とデモ行進することは不可能。

また、郝氏は、最近日米安全保障条約問題にめぐって、日中関係に多少の摩擦があったが、日本は中共と親密な関係にあると感じているという。

郝氏は、日本は地理的に中国に非常に近いため、法輪功学習者及び反体制派の人々は特に安全に注意すべきだと警告した。また、日本に潜入しているスパイを見分けることに協力したいと表明した。

海外監視スパイ3ヵ年計画

郝氏はインタビューの中で、中共の海外監視3カ年計画について詳しく紹介した。2001年6月26日、天津で開かれた全国規模の会議では、全国各省、市の海外と連絡のある部門及び海外情報網が全て法輪功の監視へ切り替える指示が出されたと話し、3年間で海外の法輪功に関する情報を徹底的に収集するようにと要求された。この計画は2004年6月26日に終了し、各省、市は当初の計画通りに海外の法輪功の監視任務を遂行したはずだと述べた。

また、3ヵ年計画については上部からの正式な指示はあるが、具体的な活動内容は各省、市に任せられている。例えば、法輪功の活動の現場に必ずスパイを派遣しれ、その活動を監視する。または法輪功学習者に成りすまして情報収集に当たるなどはよく見られる手口である。中国政府に反体制派や他の宗教団体などに対しても同じ手口で監視している。

日本での監視方法は他の国とほぼ同様。主にビジネスマンに成りすまし、架空の会社を利用して日本へ派遣するなど方法を取っている。現地駐在スパイの他、地元のビジネスマン、華人、中国と貿易を行っている日本人まで買収し、監視対象となるグループに潜伏させ、各種の情報収集に当たっている。

郝氏はまた、海外の監視活動は個人情報の収集に重点を置いていると述べた。法輪功学習者の場合、法輪功の活動に積極的に参加しているかいないかに関わらず、パスポートに記載された氏名、住所、電話番号、年齢などの情報を収集することが要求される。さらに、これらの情報を中国国内へ送られ、現地の610オフィスを通じて北京公安部へ転送され、そして、外務省を通じて各国大使館へ通知される。各国の大使館はこのように法輪功学習者リストを入手したという。

また、法輪功学習者のリストは中国の各空港にも送られ、コンピューターに登録される。リストに載っている人が通関すれば、直ちに逮捕され、公安局へ引き渡される仕組みになっている。

郝氏は更に、海外のスパイに課せられたもっとも重要な任務のひとつは、海外在住の法輪功学習者が中国に帰国の際、帰省先の610オフィスに知らせることであると述べた。日本に住む法輪功学習者が中国へ帰省した際、地元の国家安全局に拘留されたり、尾行されたりした事件がこれまで何度も起きたが、これはまさに中国政府が海外で広げたスパイ活動と関係しているという。

(東京=月川 真理)