中国:多発する抗議事件に特別部隊

2005/08/29
更新: 2005/08/29

【大紀元日本8月29日】今年に入ってから、中国内陸で大規模な抗議事件が多発している。周永康・公安部部長(大臣格)は先日、現在七分間おきに民衆による抗議事件が起きていると述べた。抗議事件を抑圧するために、装甲車両とヘリコプターを装備する特別警察隊を立ち上げる動きがあるという。

情報筋の話によると、この部隊は主要36都市に配置され、上海と北京に最多の兵力が配置されると見られている。人口密度の最も高い河南省(中国中部地域に位置する)の鄭州市に最近部隊が配置されたという。一億の人口を抱える河南省に世界に注目されている「エイズ村」があるだけではなく、民衆による抗議事件が頻発の地域でもある。

周公安部部長は先日、抗議事件は既に10年前の10,000件から去年の74,000件まで増加し、参加した人数も376万人に達していると述べた。地方政府が警察または武装部隊を動員して抗議事件を抑圧しているため、近年抗議事件の暴力化が目立っている。中国政府側の新華網の報道によると、これまでの抗議事件の中で、21万人が死亡し、175万人が負傷。経済的被害は4,550億元(1元=15円)に達しているという。近年増加する一方の抗議事件に慎重に対応しなければ、社会的な危機を引き起こす恐れがあると専門家は分析する。

抗議事件の発端は、土地の所有権の問題、強制的な立ち退きリストラ、退職金の不払い、環境問題、腐敗問題など多岐にわたっている。いずれも人々の死活に関わる問題だけに、ますます多くの人が抗議に参加している。多くの社会問題に手を焼いている中国政府はどのようにこれらの危機を乗り越えるのか、その行方が注目されている。