ウクライナ:中国の脱党ブームに注目

2005/09/25
更新: 2005/09/25

【大紀元日本9月25日】「世界平和に対する共産主義の脅迫」と題するセミナーが9月16日、ウクライナの首都キエフ市で行われ、中国で発生している脱党ブームに関心が集まった。政界、メディアと人権組織の代表など約百人が出席した。

セミナーは、大紀元ウクライナ支社とウクライナの著名人権組織「記念館」において開催、 「記念館」組織ロマン・クルツク・ミコライビッチ主席、ウクライナ共和党労働組合セルギエンコ・オレス・フェオドロビッチ主席、雑誌「開放のレッスン」のスコリク・オレナ・イェヴゲニブナ編集長、ウクライナ人民民主党ブート・ユーリ・オレクサンドロビッチ前主席、ウクライナ政治犯協会プロニク・イブゲン・バシリョビッチ主席などが、セミナーでスピーチを行った。

セミナーは、現地で大きな反応を呼び起こし、ウクライナの残留共産党党員が抗議する場面もあった。

1 共産独裁は世界平和の最大脅迫

冒頭、イギリス大紀元編集長・紹力教授は、大紀元社説「九評共産党」と、それがもたらした中国人の共産党・脱退ブームを紹介した。紹教授は、脱党ブームは、中国民衆の精神覚醒のシンボルであり、共産独裁の終結を意味すると指摘、共産主義独裁は人類の敵であり、世界平和への最大の脅迫であるとした。

紹教授はまた、中共統制下の人権と経済状況について分析した。国際社会は、中国と付き合う際、往々にして中国共産党を中国、あるいは中国人民と同一視している。多くの中国人も、中共に対する批判を、中国及び中国民衆への批判あると取り違えて理解している。それは非常に不幸なことであり、中国にとって、共産党ほど異質であり、かつ中国らしくないものは他にはない。中国の民衆にとっては、共産党の高圧独裁は、最大の敵であり、中国共産党は、中国を代表できず、中国民衆の利益を代言できないと紹教授は強調した。

イギリス大紀元編集長・紹力教授

2 歴史を忘れてはいけない

ウクライナ著名人権団体「記念館」の創始者の一人であり、「ソ連共産党のウクライナにおける虐殺に関する研究と教育」研究所長であるロマン・クルツク・コライビッチ編集長は、「ウクライナの共産主義に対する質問」というテーマから、「記念館」の成立の目的と意義を紹介し、ソ連共産党が1917年から1991年の間に、ウクライナ民衆に対して犯した罪を暴露した。同氏はまた、去年11月の「オレンジ革命」などウクライナ民衆の、共産主義支配から抜け出すための努力を紹介、ウクライナにおけるような民主化進展が、世界の他の共産主義国でも実現されることへの強い希望を述べた。

3 共産主義の教育への腐蝕を取り除く

「ウクライナ解放教育学校」責任者で、雑誌「開放のレッスン」のスコリク・オレナ・イェヴゲニブナ編集長は、「前共産主義教育システム及び個人の発展への影響」というタイトルの演説を行った。共産主義の教育は、人間の自我の喪失を奨励、共産党独裁への絶対の従順をさせ、子ども及び成人の発展には非常に有害であると、編集長は強調した。

4 共産主義へ救助を求めるのは人類の悲しみ

ウクライナ政治犯協会プロニク・イブゲン・バシリョビッチ主席は、自らも共産党の迫害を受け、政治犯として17年も監禁された体験を紹介し、「共産主義に向かって救助を求めるのは人類の悲しい道」という発言をし、聴衆に、共産主義を信じないようと警告した。

5 中国大使館干渉

セミナーの案内が公表された後、現地ではさまざまな反応が見られたが、中国大使館とウクライナ共産党は脅威を感じたようだ。中国大使館関係者はセミナーの主催側に何度も電話をし、セミナー中止を要求した。

セミナーの進行中、何人かのウクライナ共産党員が会場の外で共産党の旗を揚げて抗議した。会場の警備が、記者に対して、「彼らは実は恐れている。多くのウクライナ人は、共産党の邪悪を良く認識しているので、彼らを無視している。彼ら自身もこの点についてよく分かっている」と話した。

(キエフ=記者・石芳、王鴻)
この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。