【大紀元日本9月15日】英国紙「ガーディアン」の報道によると、中国の化粧品会社が処刑された死刑囚の皮膚を利用して化粧品を開発し、香港経由で欧米に向けて輸出している。また、堕胎された胎児の組織からコラーゲンを製造する研究も進めているという。
同紙によれば、記者が香港の業者を装い、ある中国化粧品会社の代理店と接触した。会社の名前は明らかにされていないが、黒龍江省を拠点に、全国各地に工場を設けている会社だという。代理店はおとりの記者に対し、「中国で処刑された死刑囚の皮膚から、唇や肌のしわ治療に有効なコラーゲンを開発している。製品の一部はすでにアメリカや、英国と欧州に輸出された」と語り、「死刑囚の皮膚は以前から使用してきた。中国では日常茶飯事だ。以前はもっと安かった。裁判所にも上納金を納めているし、政府からは控えめに進行するよう指導された。決して驚くべきことではない」と記者に強調した。
この代理店からの情報によると、この化粧品会社は死刑囚や胎児の皮膚を利用して、様々な研究を行っている。皮膚は黒龍江省のバイオテクノロジー関係の企業から仕入れ、中国国内のほかの地区で研究開発しているという。
問題のコラーゲン化粧品の流通経路や販売状況などについてはまだ把握できていない。中国での関連開発の進行状況も不明だという。
中国死刑囚数は、全世界の合計の9割強を占める
中国で処刑される死刑囚の数は、他の国の合計よりも多い。昨年世界で執行された5500件近い死刑のうち、約5000件は中国で行われたとの集計結果もある。
中国での死刑執行は、見せしめ効果以外に、死刑囚の体はまさに宝の山である、全身の臓器が摘出され、裏売買されているという。2001年6月米国へ亡命した天津武装警察医院の王国齊(音訳)医師は、アメリカ議会で証言したことによれば、処刑場や火葬場で、銃殺処刑されたばかりの死刑囚から皮膚や目の角膜を摘出したことを100回以上経験してきたという。時に死者の心臓がまた鼓動しているのに、摘出が行われたこともあると明かした。
1998年、欧州議会は中国共産党のこの野蛮な行動に対し、関連決議を通過させ、「これは犯罪行為である。国際社会の犯罪者の人権を尊重する保護規定や、身体の不可侵条例に厳重違反している」と強く非難した。
問題のコラーゲン化粧品による感染の危険性
コラーゲンは皮膚や骨、軟骨などの結合組織を構造する繊維性たんぱく質。今回のようなケースは倫理上の問題だけではなく、感染の危険性も指摘されている。欧米ではコラーゲンを原料とする化粧品の販売が禁止されておらず、医学界と政治家らは、この問題に懸念を示している。
皮膚科専門医の香港医学会副会長・史泰祖氏は、「本来コラーゲン成分は、主に牛から採取されていたが、狂牛病問題で、植物から採取するようになった。死刑囚の遺体からコラーゲンを採取する手法は、道徳倫理上と衛生安全問題上では受けがたいことだ。血液も同様だが(中国では血液が売買されている)、人間の体と臓器まで商品化されると、大きな社会問題を引き起こす」と怒りをあらわにした。
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