【大紀元日本9月16日】中央社AFP電によると、北京在住の翻訳家・劉狄氏(24歳)は2002年末、中国政府が報道・言論の自由を保障していない旨の批判文書をネット上で公開したことを理由として、約一年にわたり収監された。劉狄氏は「中国では大多数の電子メールは中国当局に監視されているが、多くのネットユーザーはメールを発信することから生ずる危険を認識していない」と語った。彼女は今毎回メールを送信する際に、メール内容を暗号化するソフトを使用している。当局によるネット監視・検閲には、大手ネット関連会社が協力しているという。
以前から中国当局は莫大な資金を投じ、ネット監視システムを開発し、インターネット上の言論を厳しく監視・統制してきた。中国政府のネット監視の徹底ぶりを示す典型的な事例は、今年4月、「中国商報」の師涛・記者に対し、海外ネットサイトにおける「国家機密漏洩」を理由として10年の収監刑が言い渡された事件である。中国政府は、天安門事件15周年記念に関連する一切の文書の公表及び報道を禁じているが、記者は、天安門事件に関連する記事を海外に発信し、これが「国家機密漏洩」に当たるとして、10年の収監刑が言い渡されたものである。
中国政府のネット監視・検閲政策が「成功」している背景には、巨大市場への進出の足場がためをしたいヤフー等のネット関連会社が中国政府の監視・検閲政策に協力している事実があるという。実際、師・記者は、ヤフーの情報提供により有罪判決に至ったものである。中国のインターネット事情に詳しいハワイ大学のハワード氏は「ヤフーは、師涛氏に関する資料の提供を拒否できたはずだ」としている。
現在、インターネットテレビ電話やスカイプなどによる中国と海外の会話がしばしば切断されている。これは中国電信による電話料金減収回避策とも言われているが海外からの情報流入を恐れる検閲の一環であると言う。このような監視技術はマイクロソフトやシスコなどの技術が使われているともうわさされている。