【大紀元日本10月3日】中華人民共和国成立56年目を迎えるに際し、「国境なき記者団」は中国新華社に関する報道を発表し、中国共産党体制下の新華社が担うプロパガンダ(宣伝機関)について、その実態を詳しく調査した。
新華社の報道は多く引用されているかも知れないが(Googleニュースに掲載される中国関連の情報は三分の一が新華社のもの)、新華社のトップは同時に中国のメディアを制御する機関の長であるということだ。
新華社の前身は毛沢東が作り上げた赤色中国新聞通信社で、1937年1月に現在の名称に改めた。国営の通信機関・新華社は1949年10月より完全に中国共産党の統制下に置かれた。
今回の調査報告は、新華社記者数人が匿名で協力し、中国宣伝部がメディアに対するコントロールの実態を明らかにしたもの。
また、元新華社記者のフランス人記者の協力で、「国境なき記者団」は新華社が事実を歪曲し、特に米国や日本に対する敵対心理を引き起こさせ、国際ニュースとして報道し、世界最悪の政権があたかも支持を受けているかのように虚像を作り上げていく過程を明らかにした。
「国境なき記者団」は、中国メディアは若干の経済開放の自由を有しても、新華社は一党専制国家の唯一代弁者、と指摘。その記者らは選ばれた者として常に洗脳を受けているため、政府側の観点で発信をしているとし、いわゆる敏感な話題や情報は「内部の参考資料」として、国家上層部しか閲覧できないことを明らかにした。
さらに、新華社の報道内容は透明度に欠けると指摘し、特にSARSが氾濫していた時期において厳しく批判された。過去数ヶ月間、新華社は中国政府にとって恥となる内容を報道したという。しかし、これらの報道は国際社会を愚弄する目的に過ぎなかった。なぜなら、これらの報道は中国語の発表は一切なかったからだ。
北京オリンピックまであと3年。「国境なき記者団」は中国政府に対して、国営メディアの改革を進めるように呼びかけている。
「国境なき記者団」は、新華社についての報告はすべて同ウエブサイトにて
英語とフランス語で発表している。