【大紀元日本10月13日】国際原油価格が1バレルあたり60米ドルの高値が続く中、石油危機の再発が憂慮されている。台湾中華経済研究院(以下、台湾中経院)の呉恵林研究員は、すべてが中国しだいと述べ、石油危機再発を防ぐために、中国が市場の調整の役割を機能させること、または中国の経済成長を支えてきた外国企業が投資をやめる、という二通りの方法しかないと分析した。
呉氏は台湾中経院のウェブサイト「台商電子報」で、世界の石油消費問題についての分析を発表した。呉氏は、米国のハリケーン「リタ」の勢力が弱まったため、石油供給に大きな打撃を与えなかったが、予測不可能な天災の再来、中東情勢及び頻発するテロ活動などの諸因から、人々は石油危機の再発を憂慮せざるを得ないと語った。
呉氏は、もっとも注意すべきことはこの20余年以来、躍進してきた中国経済であると指摘。中国は高い経済成長率を誇っているが、エネルギーの利用効率が低いため、大量な石油を必要とし、すでに日本を超え米国に次ぐ世界第二の石油消費国となった。
中国科学院の「持続可能な発展戦略に関する研究グループ」のグループ長・首席科学者・牛文元氏の計算によると、2003年の中国国民総生産(GNP)は世界の総生産の4%に過ぎないにもかかわらず、世界3分の1の石炭、鋼鉄、セメントを消費してしまったという。近年さらに積極的に海外の石油国と連携し、新しい油田の開発に取り組んでいる。従って、中国は相変わらず効率の悪いエネルギー利用方法で生産を続けていると指摘されている。
呉氏は、中国は市場原則に基づく経済発展モデルを確立していないため、従来からエネルギーの利用効率が悪く、第一次石油危機当時、米国が管制政策によって短期間に危機を乗り越えたようにはならないだろうと指摘。このまま中国が経済成長を続ければ、エネルギーの消費増加によって、石油の需要が激増する可能性が高いと警告した。