中国、台湾特産品を商標登録、官民で解決さぐる台湾

2006/01/19
更新: 2006/01/19

【大紀元日本1月19日】中国の業者が国内で台湾の特産品を商標登録したことは明らかになった。そのため、台湾の業者は中国へ関連商品の輸出が影響されると憂慮し、台湾農業委員会や、台湾経済部智慧財産局(※日本の経済産業省に相当)に助けを求めた。一方、世界貿易機関(WTO)は中共政権に直ちに異議を申し立て、登録を撤回すべきであるとの見解を示した。

台湾紙「自由時報」の報道によると、台湾の凍頂ウーロン茶や、古坑コーヒー、池上米、埔里酒、新竹ビーフンなどの特産品がすでに中国の業者に国内で商標登録されていた。関係者によると、これらの特産品を輸出する場合、中国だけではなく、欧米と日本などにも商標権を侵害したとして告訴される恐れがあり、計り知れないほどの経済損失をこうむることになる。

台湾政府関係部門は17日、専門会議を開き、問題の解決策を論議した。「官民同進」の策略が打ち出され、政府と民間が両方から中共政権に解決を求めていくと決定した。

政府ルートでは、台湾の「海基会」は中国の「海協会」(中台関係を処理する両政府の窓口)と協商する。民間ルートでは、権益関連団体が、中国側に対し正当権益を主張し、商標登録の撤回を求めていくが、必要があれば司法に解決を委ねるとしている。

世界貿易機関(WTO)の見解と反応

WTOの専門家は18日、「WTOに問題解決を要請する以前、台湾の業者は中共政権に異議を申し出、商標登録の撤回を求める必要がある。この行動は台湾業界が一致団結し、政府が協力する形で行うべき」と説明した。

またWTOと知的財産権保護問題の専門家は、「知的財産権は中国が抱える深刻な問題の一つ、中共政権は自国業者による台湾特産品の商標登録を許可したのは明らかな錯誤で、厳重に台湾業者と商品の権益を侵害した」と見解を示した。

専門家は「WTOに問題を持ちこむのは最後の手段であり、米国や、EUなども再三に中国の知的財産権問題を警告し続けたが、まだWTOで訴訟を起していない」と語り、米国スターバックスコーヒーの商標保護の成功例を挙げ、政府と企業両方が中共政権に改善を求めることを提案した。