東大・海洋開発研究機構、日本海で「燃える氷」を発見

2006/02/24
更新: 2006/02/24

【大紀元日本2月24日】東京大学の「燃える氷」研究班は20日、日本海新潟県沖の海底100mの場所に柱状の「燃える氷」が存在していると発表した。専門家は海底深部に巨大な天然ガス田があると判定、日本近海で「燃える氷」が発見されたのはこれが初めて。

「燃える氷」、燃えた後は水しか残らないクリーンなエネルギー=2005年3月、愛知万博のガス・パビリオンで(KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)

「燃える氷」(メタンハイドレート)は、天然ガスと水分子が、低温・高圧の条件下で形成される固体結晶物質の氷雪状のもの。火をつけると燃える可燃性であることから「燃える氷」と称され、燃えた後は水しか残らないクリーンなエネルギーであることから、次世代エネルギー資源として、欧米各国、日本などから注目されている。

東京大学・海洋研究開発機構などの専門家は、メタンハイドレートの一部は海底に露出しており、その規模から、海底下深部に巨大な天然ガス田があるとみている。今回の発見は、メキシコ湾、カナダバンクーバー海域に次ぐものとして注目される。

研究班は魚群探査機によって、気泡として浮上するメタンガスの濃度が濃い位置を特定、要員は新潟県上越市の直江津港北西約30km、深さ約900mの海域を中心に、無人潜水艇で調査した結果、メタンハイドレートが海底面に2か所点在していることを確認した。

研究班はさらに、メタンハイドレートの露出した海底を、海洋調査船の短い鉄パイプで掘削したところ、最長でメタンハイドレート2.6mが採取できた。研究要員の一人・松本東教授は、「深部のメタンガスが上昇して、柱状の燃える氷に冷却固形化した。このことは海底下、数キロ地点に巨大なメタンガス層があることを示す」と語った。